□冥姫 第三十三話
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私の家出騒動も落ち着き、一瞬 思考が停止するほどの山積み書類も片付いた。

なので今日は家出でお世話になった人たちに、お礼の品を持っていくことにした。


まず最初に行ったのは長い間 居候させてもらったお妙さんの家。


家に行くと丁度お妙さんがいて中に通してくれた。


「お妙さん、長い間お世話になっておきながら挨拶が遅くれてしまい申し訳ありませんでした」

「気にしなくていいのよ
美月ちゃんたちと暮らす毎日は賑やかで楽しかったもの」

「それでこれは ほんの気持ちですが受け取ってください」


菓子折りを差し出した。


「気なんて遣わないでちょうだい」

「いえ、本当にささやかな気持ちですので受け取ってください
受け取って頂かないと私の気が済みません」

「そう‥じゃあこれは頂いておくわね
どうもありがとう」

「私の方こそありがとうございます」


笑顔で受け取ってくれた。


その後 お妙さんとお喋りをしていたら、いつの間にか近藤さんが交じっていて

例によって例のごとく殴られていた。



取り敢えず近藤さんを屯所に連れ帰り、土方さんに引き渡す。


「ごくろうだったな」

「ついででしたから」


万事屋さんへのお礼の品を取りに帰るついでだった。


「今日は礼しに回るって言ってたな」

「はい、次は万事屋さんです」


土方さんの片眉がピクリと動く。


「あいつらは別にいいんじゃね」

「そういう訳にはいきませんよ
今から行ってきますね」

「分かった、礼だと言って殴ってこい」


それだとお礼の意味が違います。



万事屋さんに行くと皆さん居て快く中に入れてくれた。


「先日は私事で大変お世話になったのにお礼が遅れて申し訳ありませんでした
これはほんの気持ちです
受け取ってください」


お礼の品を差し出す。


「礼なんていいのに、でもありがとう」


坂田さんも笑顔で受け取ってくれた。


「定春にはこれね」


ワンちゃんまっしぐらワンコビスケット。


「ワン」

「わざわざすみません」

「迷惑をかけたのはこっちだからね」

「誰も迷惑だなんて思ってないヨ」

「ありがとう
神楽ちゃんは優しいね」


笑顔でお礼を言うと神楽ちゃんも笑顔になった。


「美月ちゃん これ開けていい?」

「どうぞ」


坂田さんが包装紙をバリバリ破いて中の物を見る。


「これは!テレビでも紹介されていたあの店の菓子詰め合せ」


さすがお菓子には詳しい。



その後、ゆっくりしていけという申し出を丁重に断り
お登勢さんのところに行く。

クリーニングの袋にいれた寝巻をお礼を言ってお返しした。

 
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