□冥姫 第三十二話
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気付かないで気付いて。







新八君の家に居候させてもらって早六日。     

今日も朝食前に新八君と手合せをしてから新八君と朝食を作り、昼からは簡単な家事の手伝いをして過ごしている。


土方さんには相変わらず会っていない

近藤さんには毎日のように会ってるけどね。





銀時と新八が縁側に座り話しをしている。


「なあ 新八おかしくないか?」

「なにがですか?」

「美月ちゃんと一つ屋根の下で寝泊りするようになってから一週間(銀時の家の一泊含む)になるけど
俺とのラブハプニングが一つもない」

「………」

「俺の予定では
「銀さん素敵!この胸の高鳴りは鯉?
あっ、漢字間違えちゃったテヘッ」(裏声)
までいってるはずなんだけど」


至極真面目に語る銀時。


「美月さんをなんだと思ってるんだ
だいたい鯉と恋を間違うなんてベタすぎるんだよ!」

「恋と鯉を間違うくらい俺のこと好ってことだろォがァ!!
テヘッは単に言って欲しいだけだけどな!

なのにさァ…実際はどうだ?
未だに寝顔さえ見れてねえ」

「……僕 買い物に行ってきます」

「買い物か…俺がいこう!」

「珍しいですね」

「正確には俺と美月ちゃんとで行ってくる」


新八は呆れ顔になった。





私は室内で考えていた、
土方さんのことを。


「美月ちゃーん 俺と買い物に行こう」


坂田さんの呼び掛けで考え事は中断。


「はい」

「私も一緒に行くアル」


突然 神楽ちゃんが現れた。


「神楽ァ空気読めよ」

「いいじゃないですか
三人で行きましょうよ、ね」


私と坂田さんと神楽ちゃんとでスーパーに行った。


カートにカゴを乗せ食材を選んでいる間に神楽ちゃんは酢コンブをカゴに入れ、坂田さんはチョコをカゴに入れていた。



レジを済ませ それぞれビニール袋を持って帰っていたら土方さんと出会ってしまった。


とっさに坂田さんの背に隠れる。


「まだ怒ってんのか」

「当たり前だろ」

「仕事 溜まってんぞ」

「テメーが代わりにやっとけや」

「そんな野郎の後ろに隠れてないで屯所に戻ってこい」

「戻る気がないから俺の後ろに隠れてんだろ」

「なんでテメーが答えてんだァァァァ!!
俺は宮中に聴いてんだよ!!」

「話すことはありません
行きましょう坂田さん神楽ちゃん」

「待てよ!」


制止の声を無視して歩を進めていたら土方さんに肩を掴まれた。


「待てって言ってん―――」


両手がビニール袋でふさがった坂田さんが土方さんの手を蹴り上げて払い除けてくれた。


その隙に走って逃げ帰ることに成功。


「おかえりなさい美月さん
銀さんと神楽ちゃんは一緒じゃないんですか?」


「うん 先に帰ってきちゃった、
これどこに置いておけばいいかな」


手に持った食材の入ったスーパーのビニール袋。


「僕がしまっておくんで美月さんは休んでてください」

「ありがとう」


部屋で一休みしながら土方さんの言葉を思い出した。

 
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