……なんだろう…?
私が頼んだので、私の瞳孔を見るために顔を近づけただけなのに
なんか凄く緊張する。
マジマジと私の目を見つめる
なぜか追い詰められているような気持ちになり、土方さんが怖いと思った
極度の緊張と恐怖心が交わる
心臓がいつもとは違う動きをしたあとすぐに、胸が甘く痺れる
舌は変わりない
甘いわけではないのに甘く感じる、
甘さと痺れはすぐには引かず焦る
でも甘く痺れると言うのは体的に尋常ではない
先ほどのおかしな動きと合わせて、心臓に負荷がかかっているかも……。
「開いてるな、これがどうかしたのか」
「そ、そうですか、ありがとうございます」
いつもより心臓が速いのも、脈打ってるのも分かる。
不思議に思っている間に会議は始まった。
土方さんの隣には近藤さん、局長と副長、恋敵、だけど見た感じ近藤さんは土方さんのお妙さんへの想いを知らないみたい。
もしかして想いを伝える気はない?
近藤さんは土方さんも認める器の持ち主
でも気持ちを押さえられなくて坂田さんの姿で本音がでたんだ………。
…そこまで……お妙さんのことが……好き………
そう思ったとたん、目の涙の膜が厚くなりそうになったので慌てて別のことを考えて瞬(まばた)きの数を減らし、涙を引っ込めた。
会議が終わって部屋に帰っていると沖田さんが声をかけてきた。
「美月ちゃん」
「なんですか?」
「なんか悩みごとでもあるのかィ」
今の私は悩みごとがあるように見えるのだろうか?
「悩みごというか疑問です」
「疑問?」
「答えが解らない疑問があって、考えているんですけど解らなくて…ずっと考えているんです」
「それは…泣くような疑問か」
「?泣いてないですけど」
「じゃあなんで土方さんを見て───」
私と沖田さんは同時にハッとした。
さっきの隊首会で涙目になりそうなところを見られていたんだ。
愕然としたのは一瞬だった、沖田さんが私の両肩を焦ったみたいに掴んできたから。
「まさか…!美月ちゃん」
な、何?
「……いや、なんでもない」
私の両肩から手が放れる。
沖田さんは、そう言って、どこかに行ってしまった。
どうしたんだろう?
私は今日も考えていた
疑問が解決しなくても、書類の期限はまってくれない。
なんとか期限内にできた書類を土方さんに渡した。
「ここのところ期限がぎりぎりだな」
「すみません…」
いつもなら考え事とはいえ、仕事のときは頭の隅に追いやるのに、追いやれない。
「責めてるわけじゃねえ、調子が悪いのか?」
「悪いというか、いまいち集中できないんです」
「まあ、根つめすぎるなよ」
言って子供にするように私の頭を撫でる。
一拍置いた次の瞬間、私の脳裏にお酒味のキスの記憶が蘇った。
顔が瞬時に真っ赤に染まって、土方さんがポカンとした顔をしている
一方私は予想外の事態に呆然としていた。
「……お前……顔」
ハッとして立ち上がる。
「こっこっ子供扱いしないでください!」
一目散に部屋に戻った。