□冥姫 第五十三話
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ネコは見てない、見たら連絡するといって別れた。


見回りを続けていたら一般市民の人から、パチンコ屋の前で乱闘が起きそうだという話を聞いたので向かったが少し遅かった、すでに乱闘が始まっ………?


ネコっぽい人?が一人で暴れている!?

万事屋や真選組の皆さんが手も足も出ない強さ


顔と手足がネコだけど二足歩行で背が高い、おまけに腹筋が六つに割れてる
ただし口からは血が垂れ、右目が出ていて全裸だ。


ネコっぽい人は一頻(ひとしき)り暴れたあと、屋根づたいに何処かへ去っていった。


もしかして坂田さんが言っていた猫って、あの猫っぽい人……?


と、とにかく一般市民に危害を加えたら大変だ

急いで屋根に登り追いかけようとしたものの、足も早いようで屋根に上った頃にはすっかり姿は消えていて、完全に見失ってしまった。


あちこち駆けずり回る、
やっと猫っぽい人を遠目とはいえ見つけたのは夜になってからだ

空には光る満月。


猫っぽい人はこの辺りに降りたはず
警戒しながら辺りを見回す。


「どざえもんさん、しっかりして!」


……今の声、お妙さんの声だったよね?


まさかと思って声が聞こえてきた塀をよじ登ると、倒れている猫っぽい人とお妙さん
さらに茂みに隠れている中身坂田さんの土方さんが見えた。


中身土方さんの坂田さんはお妙さんに声をかけているところだった。


「よう久しぶりだな」

「あら銀さん、珍しい」

「なんだかお前の顔が見たくなっちまって」


何か悪いものでも食べたのかと、お妙さんは訝(いぶか)しんでいる。


そのあとツンデレみたいなことを言ったかと思うと、お妙さんの手をそっと掬いあげた。


「あんな男とは別れて俺と付き合っちゃいなよ」


ドクンと大きな心音が聞こえた。
































気が付いたら屯所の自室に居た。


え?なんで?いつ帰ってきたんだろう。


中身土方さんの坂田さんがお妙さんに告白して……告白…………


………土方さんの本命ってお妙さんなんだ……。


うわ〜意外
あんまり親しいイメージがなかったし、そんな素振りも見たことなかったから、かなりの衝撃だった

あ、だから夏祭りのとき私相手じゃ誤解しようがないって言ってたのか

確かに誤解しようがない。


でも土方さんがお妙さんのこと好きなの近藤さん知……らないよね

知ってたら何か言ってるだろう


こういう場合でも三角関係になるのかな。

 
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