二万ヒットフリリク

□トッシーの恋
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「美月ちゃん、俺 困ってることがあるんだ」


坂田さんが困るなんていったい何ごと?


「実はさ 新しくできた甘味屋があるんだ」

「はあ」

「噂によると美味いらしいんだけど客が女の子ばっかりで入りにくくってさー
よかったら一緒に行ってくんない」


坂田さんらしいお願いだなぁ。


視線をトッシーに移す、
ガチャボールを乱暴に紙袋にいれている、まるで物に当たる子供みたい。


「いいですよ」


目の前にいる土方さんはトッシーだし、甘味屋さんにも興味があるし。


「美月ちゃん…お仕事中だよね〜サボるのは いかがなものかな」


さっきまでガチャやってた人に言われても説得力がない。


「トッシーなんかほっといて行こうぜ」


坂田さんが私の手を取った。


「あーーー!!」


大声で叫んだトッシーが坂田さんと私の手を放す。


「ダメだよ美月ちゃん!
手なんか繋いだら妊娠しちゃうよ!だいたい好きが多すぎるよ」


手を繋いで妊娠するとかって言う人を初めて見たよ。

隙の漢字も間違ってるし。


「バカなのかお前は、手ェ繋いで妊娠って園児でも言わねェよ」

「坂田氏 道端で女子と手を繋ぐなんてハレンチだよ〜」

「ハレンチじゃありません〜」


坂田さんが私の手を取った。


トッシーが放そうとするも坂田さんが力を込めているので放れない、

それより痛いんですけど。


「美月ちゃん、君が小鳥ちゃんのように優しいのは分かるよ
でも嫌なことは蘭ちゃんみたいにハッキリ言うべきだと思うんだ」


小鳥ちゃん 蘭ちゃん誰だ。

まあ、手が痛いし。


「坂田さん手が痛いんですけど」

「あっごめん強く握りすぎた」

「美月ちゃん大丈夫?」


二人が心配そうにしている。


手を二、三回振った 異常はない。


「大丈夫ですよ」

「ホントごめん、お詫びになんでも奢る」

「僕はクリームソーダー」

「誰がお前に奢るっつったよ!
誘ってすらねーよ!!」


甘味屋

「俺チョコレートパフェ
いやプリンアラモードも捨てがたい」

「私は杏仁豆腐」

「僕はクリームソーダー」

「やっぱチョコレートパフェ」


ウエイトレスのお姉さんに注文を頼み一息ついた。


「で、なんでお前が居て美月ちゃんの隣に座ってんだよ」

「いいじゃないですか大勢のほうが楽しいですよ」

「そうだよ坂田氏」

「テメーが言うな!」


喧嘩‥とは違うか。


「坂田さんはチョコレートが好きなんですね」

「糖分は全部好きだから」

「一番好きなのって何ですか」

「うーーーん」


凄く悩んでる。


「一番好きなのはチョコより甘そうでプリンより柔らかそうな美月ちゃんかな」


注文の多い料理店のスイーツバージョン?


「私はお砂糖を振り掛けたりしませんよ」

 
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