二万ヒットフリリク

□万事屋ヒロイン
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「美月ちゃん、よかったら今度俺とデートしやせんか」


これまた唐突な。


「宮中は俺とデートするんだよ!」

「俺も美月ちゃんとデートがしたい」

「は?」


なんなの?


「実は花博覧会のペアチケットが手に入ったんで
ぜひ美月ちゃんと行きたいと思いやしてねィ」

「俺は隣のペドロ1.5のペアチケットを貰ってな
一緒に行こうぜ」

「俺は遊園地の無料招待パスポート付き、期限内に行けないからって知り合いが譲ってくれたんだ」

「…日にちをずらせばいいんじゃないですか」

「それはダメだ、一人だけ決めてくれ」


こういうの困るなぁ。


「何が貰ったーだよ、人の税金使って買ったんだろ?

大体美月ちゃんは俺としかデートしないんだからさっさと帰れや」

「そうアル さっさと出て行くヨロシ」

「頭だけじゃなくて脳まで弾けたのか」

「チャイナは引っ込んでな」

「美月ちゃん 俺とデートしてくれるなら好きなグッズプレゼントするよ」

「俺を選ぶなら一流レストランだろーがメシ奢ってやる」

「俺にしときなせェ、欲しい花は全部手に入れてやりまさァ」


どれも素敵なプレゼンだな。


「こいつらとデートするくらいなら俺と糖分でも食べに行かね?
奢っちゃうよ」


三択が四択になった。


代わる代わるアピールしてくる四人、
そのうち神楽ちゃんも混ざって私そっちのけで、いがみ始めた。


「美月さん仕事の依頼の電話です、社長に変わってくれって言ってんですけど」


五人が騒いでいたせいで電話の音に気がつかなかった。


受話器を取る。


「もしもしお電話変わりました」


内密に頼みたいことがあるので一人で来てほしいと言って電話は切れた。

やっかいな仕事のような気がしてならない。


「新八君ちょっと行ってくるわ」

「一人で大丈夫ですか?
僕も一緒に行ったほうがよくないですか」

「相手が一人でって言ってんだからしょうがないよ、あの五人のこと頼むね」


新八君に任せて指定された場所に向かった。


「ごめんくださーい」

「あ、美月ちゃん 局長から聞いてるよ さあ上がって上がって」


隊士さんに局長室に案内してもらった。


「局長 美月ちゃんが来ました」

「待ってたよ、取り敢えず座って」

「はい」

「さっそくなんだけど
お妙さんに振り向いてもらえるように協力してほしい、
成功したら報酬ははずもう」


はいドンピシャ、
やっかいな仕事だ。


「協力って言われても私には荷が勝ちすぎますので
お断わりさせていただきます」

「そう言わずにさあ〜美月ちゃんしか頼れる相手がいないんだよ」

「無理なものは無理です、
帰らせていただきますね」

「待ってェェ!!?」


どうしようってくらい引き止められた。

 
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