二万ヒットフリリク

□薬は用法 用量を守りましょう 二日目
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しばらく見回りしていたら新八君が前方から歩いてきた。


「美月さん 土方さん おはようございます」

「おはよう新八君」

「朝からご苦労さまです」


純粋な笑顔に癒される。


「ありがとう、新八君はこれから万事屋さんに行くの?」

「はい…土方さん なんで僕を睨んでるんですか?
僕が何かしましたか?」


攘夷浪士を睨むように睨んでいる。


「眼鏡、美月に話し掛けるな
そして近づくな、分かったか」

「意味が分からないですよ」

「ごめんね新八君 土方さんはちょっと体調が優れなくてイライラしてるの」

「ハードなお仕事ですもんね
体には気をつけてください
じゃあ僕はこれで」

「またね」


お互い笑顔で別れた。


「美月 眼鏡と随分 仲がいいんだな」

「そうですね」

「まさか……好き‥とかじゃないよな…?」

「好きですけど」


普通に。


土方さんの目がウルっとなった。


「美月の浮気者ー!」


誤解を招きそうな発言と涙の雫を残して土方さんは走り去った。


…………えぇぇ〜…


どこの乙女だよ!と言いたくなるような行動だ。


惚れ薬の恐ろしさを再確認させてもらったよ…。


取り敢えず土方さんを捜したほうがいいよね。

全然 心当たりがないので闇雲に捜した。



私なりに捜し回ったが見つからない。

迷子になった我が子を捜す母親ってこういう気分なのかな。



土方さんどこにいるの?


とうとう陽が暮れてきてしまった。


一度屯所に帰ったほうがいいな

帰らないと他の皆さんを心配させてしまう。



屯所

一応 確認のため土方さんの部屋を見たら誰もいないのに気配を感じた

あの押し入れから。


押し入れを開けると膝を抱え顔を膝に埋めてグスグス泣いている土方さんが居た。


また一段と どよ〜んとしている。


…まさか朝からここに居たんじゃ……。

怒ってもよさそうなものだが私はホッとしていた

迷子の我が子が見つかった母親ってこういう気分なのかもね。


「土方さん 朝からここに居たんですか」

「…」

「あちこち捜し回りましたよ」

「…」

「機嫌治してください、
だいたい新八君を好きと言ったのは友達としてですよ」

「…本当か」

「本当です」


デジャブだ。


「っ美月!」


飛び掛かってきた土方さんを避けた。


「なぜ避ける」


目がやっぱり腫れている。


「飛び掛かってくると思ったからです」

「だからって避けなくてもいいだろォ」


膝を抱えてブチブチと文句を言う。


「土方さん私 お昼食べてないんで、お腹がペッコペコなんですけど」

「俺もだ メシ食いに行くか」

「はい」

「うっ!」


バタリ

土方さんが倒れた!

 
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