長い夢

□冥姫 第二十二話
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土方さんに部屋へ来てもらい手紙を見せた。


「メガネ この女のどこがいいんだ、こいつァB型の女だぞ」

「B型だと問題でもあるんですか?」

「B型の女は自分勝手で人の話なんざ聞きゃしねえ」


土方さん曰くB型の女性は自分の話だけ喋って会話が成立してると思い、
下手にフォローすると延々一人で喋るから相当うまくやる必要があるそうだ。

…なんでそんなに詳しいんだろ?


「彼 B型の女に恨みでもあんの」

「ねーよ」

「トシ あれまだ引きずってんだな」


土方さんも過去に色々あったんだ。


「いい加減なこというな!宮中が信じたらどうすんだ!!」


え?


「宮中 信じるなよ!嘘だからな」

「別に言いふらそうとか思ってないですよ」


女性が噂話を好きなのは認めるけど言いふらすとか そう思われるのは心外だ。


「信じてないよな」

「はい」


本音を言うと どーでもいい。


「要するに絶妙なフォローと相手が気づかぬほどの話題替えすりゃいいんだろ、まァ俺に任せな」


自信満々な坂田さんのお手並み拝見。


“お姉さんのことを思うと心が痛みます
でもうららさんのお姉さんを思う気持ちはきっと伝わっていますよ
いつかきっと心を開いてくれると思います

…開くといえばうららさんはいつになったら股を開いてくれるんでしょうか”

「不自然すぎるだろーが!」


新八君のツッコミに賛成。


“美月ちゃんはいつになったら俺に股を開いてくれるんでしょうか”

「しつけーんだよ!美月さんにまで矛先を向けんな!!」


…。


「ん〜、ハイキックと上段蹴りと上段回し蹴りでよければいくらでも開きますけど

あのときの攘夷浪士と同じになりたいですか」


ニーッコリ笑った。


「あの蹴りは凄かったよなトシ」

「どこにあんな力があんのか一時期話題になったな」


目撃者が語る。


“攘夷浪士がどうなったかは知りませんが さっきのは軽い冗談です、ごめんなさい”

「普通に謝れよ!」

「話にならんな
そんなペラペラのフォローで真剣さが伝わるか」


もっともらしいことを言う近藤さんのお手並み拝見。


“お姉さんを思うとムラムラします”

「見境なしか!」


私なら文通を続けたいとは思わない。


新八君は土方さんに助けを求めた。


「しゃーねえ」


土方さんのお手並み拝見。


“お姉さんのこと色々と心配なさってるようですが僕はその必要はないと思います

僕はお姉さんに対し同情の気持ちも励ましの言葉も何も持てません
だって友達ならいるでしょ
僕が

僕がお姉さんの友達になります”


「突き放すと見せ掛けてフォローした」


近藤さんが驚く。


“自分の殻が破れないというなら僕が外から破りにいきます”


「フォローから会う約束を取り繕ろった」


新八君も驚く。

 
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