長い夢

□冥姫 第二十話 後編
4ページ/6ページ



伊東さんは隊士さんたちに外に連れていかれた

仲間として死なせるために。


皆が周りを囲み、土方さんが伊東さんに刀を投げた。


「伊東、決着つけようじゃねーか」


走馬灯のように伊東さんとの思い出が浮かんでいく。


「土方ァァァ!!」

「伊東ォォォ!!」


伊東さんから血が吹き出る。


「が…とう、あり…がとう」


命の燈(ともしび)が消えていく、伊東さんの頬に涙が伝い地面に落ちた。





今日はお葬式の日

まさか山崎さんが殺されていたなんて…
遺体も見つかっていない。

にしてもさぁ、おかしくない?
なんで松平様の犬とセットで犬が主役になってんの
普通 逆だよね。

出席してる隊士さんたちも携帯で話したりジャンプ読んだり
お葬式をなんだと思ってるんだ、弔う気あるのか。


土方さんは謹慎が解けたのに戻ってこないし…どうなっちゃうんだろ。


いや!土方さんがいないときこそしっかりしないと。


ドゴオ

爆音と共に山崎さんが飛び込んできた。


山崎さん生きてたんだ!


化けて出たと皆さんパニックになってるけど、幽霊メイクしてるだけですよ。


バズーカを抱えた土方さんが、局中法度を述べる。


「てめーら全員士道不覚悟で切腹だァァァァァ!!」


土方さんが戻ってきた。

隊士さんたちが駆け寄る。

土方さんは隊士さん達を殴るが隊士さん達は嬉しそう

分かるよ、私も嬉しいもの!


プリ○ュアの着歌が聞こえてきた。


「もしもし土方でござる」


呪いは健在のようです。





騒ぎが落ち着いたころに土方さんの部屋に行ってみた。


トッシーなのか土方さんなのか。


「あのぉ」

「なんだ?」


土方さんだ。


「ちょっといいですか」

「ああ」


土方さんをじっと見る、
……うわっ、呪いの根がかなり深い。

これは私には引き剥がせないかも。

引き剥がさないで叩き折ったら、何がおこるか……。


「宮中 お前…いや何でもない」


土方さんが言おうとしたことが何となく分かってしまった
伊東さんのことだよね。


「すみません、私はこれで」





夜中

私はある場所に向かった、
そこは屯所内にある縁側。

伊東さんはここで猫に餌をやってたっけ。


縁側に座り思い出していると後ろから気配がした。


「誰ですか?」


おずおずと姿を見せたのは土方さんだった。


「や、やあ偶然だね!」


トッシーだった。


「そんなとこに突っ立てないでこっちおいでよ」

「う、うん」


隣に座ったトッシーの緊張が伝わってくる

?なんで緊張してるんだろ。

 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ