僕と彼女が出会ったのは、紛れもない運命なんだ。
年は離れているが、ほぼ同期の少女
それが彼女、宮中美月。
彼女は真選組初の女隊士である。
さらに彼女の纏う空気は柔らかく
傍にいると安らげた。
改めて思い返してみると
彼女は最初から特別だった、
今まで僕に寄ってくる女性は皆少なからず、何かしらの打算を持っていた。
それが手に取るように解る僕は、いつしか女性はそういう生きものだと
蔑むようになっていたんだ、
だから何の打算も映さず
真っすぐ僕の目を見据えた彼女の瞳を見たときは、衝撃が走った。
言葉では表せきれないほどの衝撃だった。
自己顕示欲からくる、取るに足らない自慢話も、彼女は裏表なく素直に称賛して努力を認めて誉めてくれた。
彼女に微笑みを向けられると、一時的だけど
何かが満たされていくように感じた。
月日が立ち
政治の手腕を買われた僕は外に行くことになった
その旨を彼女に話すと
「そうですか、少し寂しいですけど伊東さんの政治手腕は真選組にとって必要なモノだから、仕方ないですよね」
僕との別れを
寂しいと言ってくれた
僕が必要だと言ってくれた。
彼女と過ごした時間は短かったが僕は理解した
彼女は僕の妻となるべく
運命が用意したに違いない。
キミがもう少し大人になって、女性として精練されたらプロポーズするよ。
キミは未来の局長夫人、いや
歴史に名を刻む者の夫人になるべき少女なのだから。
キミこそ、僕に相応しい。
キミも、そう思うだろう?