星が霞んで見える。
今 目をこすったら手が濡れてしまうのでそのままにした。
ミツバさんとした恋話しを思い出す。
ミツバさんの幸せを思って身を引いた土方さんはいい男だよ、
認めるよ。
いい男に惚れると女は苦労するね。
だって その人の幸せは他人が決めるんじゃなくてその人が決めるのに
一般論を振りかざし、そのほうが幸せだって決め付けてしまう。
私ならいつ果てる命だとしても
あの人と共にありたい
いつか果てる命だからこそ
悔いなく愛したい、
ミツバさんもそうだったんじゃないかな
だから待ってたんじゃないかな。
なのに
失うこと失われることを恐れ、始めから諦めるのは
意気地なしだ。
身を引かれることが幸せだとは限らないんだよ。
だけどもしあの人を私以上に幸せにできる人がいたら
私なら身を引く。
あの人には幸せになってほしい 愛してるから。
だから少しは土方さんの気持ちもわかってるつもり。
だけど絶対 嫉妬したくなくても嫉妬する
恋してるから。
…矛盾してるね
頭と心がバラバラだ。
土方さんはいい男だ
認めるよ
意気地なしのいい男だ。
私が想うあの人は、覚悟のうえで全部ひっくるめて私を愛してくれたよ。
今夜はダメだ
思考も思惑もうまく働かない。
大きく息を吐いた。
あぁ、もっとミツバさんと話しがしたかったな。
最後までも会おうとしない土方さんはどこかで一人
悲しんでいるだろうな。
沖田さん
あなたを抱き締めることは出来ないけど、
乗り越えられると信じています。
あなたもいつかきっと
いい男になりますよ
なんて言ったら、生意気だって怒られるかな？
あなたが元気になれるなら
怒られるの覚悟で
言っても…いいよ。
→後書き