長い夢

□冥姫 第十九話
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「おかしな人 でもあの子がなつくはずだわ、
なんとなく似てるもの
あの人に」


さっきから気になってたけどあの人って誰のことだろう。


「オイ」


パトカーが停まった。


「この屋敷…」


土方さんとなぜかアフロの山崎さんがパトカーから降りてきた。


「と、十四郎さん…」


ミツバさんが倒れた!


急いで屋敷の中に運び込む。


「やっと落ち着いたみたいですよ
俺たちが思ってるより病状はよくねェみたいで、

それより旦那と美月ちゃんはなんでミツバさんと?」

「…なりゆき」

「なりゆきです」


「なんでお前アフロになってんの?」

「なりゆきです」


「…そちらの方は
なりゆきってわけじゃなさそうだな」


土方さんのことだ。


「顔 見ただけで倒れちまうたァよっぽどのことがあったんじゃないの」

「てめーには関係ねェ」


「すいませーん男と女の関係に首突っ込むなんて野暮ってもんですよね〜」


笑う坂田さん。


「旦那、ああ見えて副長 純情なんですから〜」

「テメーには関係ねェつってんだろォォ!!」


坂田さんに斬りかかろうとするのを山崎さんが止める。


「………」


土方さんもしかして…。


「皆さんミツバを屋敷まで運んでくださったのにお構いもしなくて申し訳ありません、
私 貿易商を営んでいる
転海屋 蔵場当馬と申します」


「ミツバさんの旦那さんになる人ですよ」


ひそひそと山崎さんが話す。


「ミツバには体にさわるから出歩くなと申しておりましたが
皆さんはミツバの友達…」

「友達じゃねーですよ」

「総悟君 来てくれたのか」


「土方さんじゃありやせんか、
どの面さげて姉上に会いにこれたんでィ」

「邪魔したな」


土方さんは山崎さんを引きずって出ていった。


…。



翌日 ミツバさんが病院に入院したことを聞き


「土方さん一緒にお見舞いに行きませんか?」


道場で鍛練している土方さんに声をかけた。


「行かねーよ」

「行きましょうよ」

「行かない」

「そう言わずに」

「くどい」


「…分かりました
一人で行きます、何か伝言ありますか」


無言だった。



お花を買って病室に行くと坂田さんが山崎さんを蹴っていた


?状況が読めない。


山崎さんに来てほしいと言われたのでミツバさんへの挨拶もソコソコに三人で屋上に上がった。


「転海屋が攘夷浪士に武器を密輸してるって本当ですか!?」

「うん間違いないよ、二人ともこのことは内密に」


そんな…。


「…分かりました」


坂田さんと病室に戻る。

何を話したか聞かれたけど坂田さんが誤魔化した。


「男の子っていつもそうね
集まってつるんで悪だくみばかりして
あの人達もそう

男同士でいるときが一番楽しそうだったから、

女の子の入り込む余地なんてないの」

 
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