長い夢

□冥姫 第十七話
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若は恒道館が柳生流と勝負になるものかとバカにする。


「なりますよぼっちゃま
僕ら恒道館メンバーは仲悪いし、お互い興味ないし、むしろ死ねばいいと思ってるんですけど、美月ちゃん以外は。

お互い強いってことだけは知ってるんですぅ〜」


坂田さんが相手を挑発する。

柳生は挑発に乗り、勝負することになった。



場所を外に移し 勝負のルール説明。

身体に小皿を付け、割り合うというもので
七対七のサバイバル戦形式

大将の皿を先に割ったほうが勝ち、
場所は柳生の敷地内ならどこを使ってもいい。


「大勢で一人を囲むも逃げるも自由ってことか
まるで喧嘩だな」


土方さんのもっともな意見。


若が言うにはこれが柳生に伝わる合戦演習らしい。

空気は緊迫しているけど、懐かしさが心に満ちる

昔 稽古の一貫でよくやったな。


「ちょっと待て七対七ってそっちは五人しかいねーじゃねーか」

「七対五ってこっちが有利だろーがァァ!
あれ?こっちが有利アル」

「そーだこっちのが有利だ、さっき言ったことは無しにしろコノヤロー!」

「勘違いしてもらっては困る
僕らの大将はこの屋敷のどこかにいる」


「そちらのお嬢さん」


優男が唐突に話し掛けてきた。


「何か?」

「今うちに客人が来てましてね、
その客人がぜひあなたと戦いたいと言ってるんですが」

「客人?別に構いません
誰でもいいですよ」


「さすが余裕ですね
人以外を相手にして…ああ、今は冥姫と呼ばれていましたね」

「………」

「どちらにしても私達があなた方の皿を全て割るのは変わりないこと」

「「「んだとコルァァ!!」」」


坂田さん 近藤さん 神楽ちゃんが叫んだ。


「20分後に勝負を開始します」

「うるせー20分もいるか
10分で初めてやるよ!」


「準備は怠らないでください」

「ぶっつけ本番でいくわボケ!」


売り言葉に買い言葉で不利になるようなことを言っている。



とりあえず作戦会議をしてこっちの大将は新八君にあっさり決まったものの

お皿をどこにつけるかで揉めている。


私は心臓の上につけ

神楽ちゃんは足の裏にお皿をつけることを思い付きやってみせた。

材質が金属とかならいいアイディアなんだけど


「ねえ神楽ちゃんそれ割れ…」


パキッ
…割れた。


まだ開始前だからいいだろうと柳生にお皿を借りに行く。


神楽ちゃんと土方さんと私がお皿を借りに行くと丁度お手伝いさんがいて
門弟と間違えられたおかげでお皿は貸してもらえた。


お手伝いさんなら知ってるかも


「今こちらにお客さんが来てると思うんですけど知りませんか」

「お客さん…あの人のことかしら?
お手伝いの間で噂になってる」

「どんな人でどこに居るんですか?」

「中々 美形な男の子で客間に泊まってるけど知り合い?」

「向こうが私を呼んでるらしいので」

「じゃあ場所を教えてあげるわね」


客間の場所を教えてもらった。

 
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