長い夢

□冥姫 第十七話
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「また言ったら問答無用で殴るからね」



懐かしい夢を見た。






いつもの事なんだけど
近藤さんはお妙さんにアタックしてはフラれ続けている。

めげないところは素直に凄いと思う。

でも最近はフラれすぎて女性なら誰でもいいところまできているから気をつけろと土方さんに言われた。

まさかね。


「美月ちゃん…は俺にとって妹のような存在だ
そう妹なんだよ妹」


ブツブツ言っている姿を目撃してしまったときはどうしようかと思った…。


そんな中 降って湧いたような近藤さんのお見合い話。

相手は猩猩(しょうじょう)星の第三王女で見た目はゴリラ似とかではなく
まんまゴリラ。


真選組の皆さんは王女に姐さんになってほしくないので、お妙さんを説得しに行くと意気込み、
土方さんも近藤さんに頼まれて説得に行くことになった。


女性なら誰でもいいって言ってもゴリラは嫌だそうだ、まあそうだよね。


私は皆さんに説得を手伝ってほしいと言われたけど
この事に関してはお妙さんの肩を持ってしまうので断った。

好きになったのがお妙さんの方なら協力を惜しまないんだけど。

それに説得したところでお妙さんが首を縦に振るとは到底 思えない

たぶん王女が姐さんになるんだろう。

今から猩猩星の言葉を勉強しとこうかな。



説得に行った皆さんはやっぱり断られて倒されて帰ってきた。

断られるのは仕方ない。

だけど説得に行った隊士さん達を倒したのはお妙さんではなく

柳生九兵衛(やぎゅうきゅうべえ)と名乗る男性だったそうだ。



翌日

近藤さんはお見合いに出かけて行った。



お見合いから数日後

土方さんは縁側でヒビが入ってしまった刀を眺めて ため息をついている、

ヒビは説得に行ったとき柳生の剣を受けて出来たそうだ。

しかもおニューだったらしい。


「土方さんが負けたのは万事屋の旦那に次いで二回目ですねィ」


沖田さんがお煎餅を食べながら話す。


「負けてねェ、心が折れたときが負けたときだ」

「土方さんは負けてないとして隊士さんたちがやられたのは事実ですよね」


一瞬にして説得に行った隊士さんたちを峰打ちで倒したそうだ。


「相手は神速の剣の使い手で柳生家始まって以来の天才と名高い柳生の次期当主
柳生九兵衛だそうですねィ

柳生家って言ったら
元将軍家の剣術の指南役、
その華麗な剣技ゆえ廃刀令のご時世にも関わらず門戸を叩く者は多いとか」


聞いたことはある。


「神速の剣の使い手…
一度その剣技を見てみたいですね」

「俺ァ実戦じゃ お上品な道場剣法より俺たちのが上だと思ってましたが俺の勘違いだったみたいで。
所詮 田舎剣法じゃシティー剣法には適わないらしい」

「剣術に田舎も都会もないと思いますけど」


田舎だろうが都会だろうが剣術は斬って生き残ったほうが勝ちなのだ。


「色恋も幼なじみの許婚じゃあ近藤さんに勝ち目はねーや」


お妙さんは柳生にお嫁に行くと言ったとき泣いていたそうだ。
どう見ても嬉し涙には見えなかったと近藤さんが言っていた。


「近藤さんは見合い相手の王女を口説き落としたんだぞ
やればできるんだよ、あの人は」


王女は近藤さんのタフさが気にいったそうだ。



「一雨きそうですね」


空を見上げた。

 
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