長い夢

□冥姫 第十六話
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誠ちゃん…悲しそうな顔してるなぁ。


「あーやっちゃったよー」

「やっちゃったって言ったよな!何?そういうこと?」


設定まで悲しい。


「街を歩いてたら職務質問は避けらそうにありませんね」

「トシも美月ちゃんも今の時代 可愛いだけじゃダメなんだ、なかなかキモカワ…」


パン

誠ちゃんをフォローした近藤さんが誠ちゃんに殴られて一悶着あったがパレードをすることになった。



ひょうしぎをカンカン鳴らし

「テロ用心」と言いながら街をねり歩く。


私のもつパレードのイメージとだいぶ違う…
遊園地とかと比較するほうが間違ってるんだ きっと。


当然だけど好奇の視線を集めている。


土方さんと沖田さんのやる気はすでに皆無でお通ちゃん語で悪口を言い合っている。

最後はお通ちゃん語関係なく悪口を言い合っていた。



好奇の視線を集められたことを喜ぶ近藤さん
好奇の部分には気がついてないご様子。


「真選組はイメージが最悪だったから一度粉々に壊すだけだよう怪ぬりかべ」

「さらりと とんでもねーこと言っちゃったよ、一日局長」


沖田さんの突っ込みをスルーして二人の会話は続く。

お通ちゃん語を交えながらされる過去話し。

お通ちゃんもスキャンダルの後 大変だったんだなぁ。

話しを聞いて近藤さんはお通ちゃんをいい女だと誉め
なんだか最後のほうはバカップルのような空気をかもし出していた。


バカップルって見てると なんとも言えない感情になるのはなんでだろう、

どういう心理が働いているんだろう?


「美月ちゃん今の二人の状況を姐さんに話しなせェ」

「ぜひそうしろ宮中」


ぶっ飛ばしたいと言うだけあって二人はよほど腹が立ったみたい。


「それはちょっと…」


突如(とつじょ)近藤さんは誠ちゃんに腕をつかまれた。


「テメェェェ!
お通ちゃんといちゃついてんじゃねェよ!!」


誠ちゃんの下半身から人が出てきたかと思ったら戻っていった。


「ぎゃあああ!!まこっちゃんの中にまこっちゃんが!!」


下半身役の人はお通ちゃんのファンだったようだ。


「あり?上半身はどこいっちまったんだ」


居酒屋さんから

「やっちまった」と声が
聞こえてきた。

昼間から飲んだくれてるマスコットって…。


土方さんが上半身役の人に踵落としをくらわせて怒る。

あ、偶然にも道の前方から子供の集団がやってきた。


「誠ちゃん出番だよ!子供たちが来た!
子供と言えば純粋でイメージを植え付けやすい

さらに親の耳に入ればすぐに評判があがる!急いで!!」


あざとい。


誠ちゃんは急いで下半身に戻ったはいいけど
頭から突っ込んだせいで上半身役の下半身が出た状態で走りだした。


「まこっちゃん逆!
逆だからそれェェェ!」


近藤さんの指摘にも耳を貸さない誠ちゃん。

ケンタウロスというより正体不明の生物になったな。


暴れ馬のように走る誠ちゃん、
そのせいで死体が落ちた。


「よし!死体は置いていけ!
背負ってても恐くなるだけだから!!」


土方さんは必死だ。

だけど、死体は元気爆発というように走りだした。


「死体はいいって言ってんだろーーォォォォォ!!」


もう無茶苦茶で子供たちは誠ちゃんと死体を見て逃げ出していった。

そりゃ逃げるよ。


突撃したせいで変装がとけた誠ちゃん…

誠ちゃんの正体は
万事屋さん達だった。


怒り心頭の真選組の皆さんをよそに私は一人呆れた。

 
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