長い夢

□お前への懐い 俺の思い 後編
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なんつーか
眼につくんだよな 宮中

宮中が嬉しそうに笑うと空気まで穏やかになった気がするような気がしないでもない(曖昧)





今日も二人が眼につく。

仲はいいみたいだが望みはまだまだ薄いな総悟。

総悟が何を言っても何かをしてもときめいてないのが分かる

しょせんは友達の延長線上にいるにすぎない。

…宮中って無意識小悪魔タイプか?



−−−



「土方さん二番隊の書類 持ってきました」

「そこに置いといてくれ」

「はい」

「悪いな何時までたっても隊が決まらなくて」

「しょうがないですよ
私は前例がない女隊士ですから」


ホントは隊長どころか隊士までもが、うちに入れろと煩いから決まらないんだがな。


「お前は何番隊に入りたいとかないのか?」

「何番隊でもいいです」


事実、宮中はどの隊でもうまくやっている。


「昨日もですけど今日はまた一段と凄い量の書類ですね」


机の上の書類を見て感心したように言う。


「今月は特に多いからな
猫の手も借りたいってのはこういう状況を言うんだと俺は思うね」

「よろしかったら、お手伝いしましょうか
重要な書類以外なら何番隊のでも出来ますから」

「…いいのか?」


書類の多さに辟易していた。


「はい」

「この書類 頼むわ」


書類の束を手渡す。


「自室でやってもいいですか」

「構わんがなんでだ」

「タバコ…苦手なんです」

「そうか」


宮中は自室に行った。


タバコを取り出そうとしてやめた
少しは禁煙してみるか、

さて書類……って何で俺が禁煙しなきゃいけないんだよ!!
別にいいだろうがァァァ!!

何でだ!?
何で俺は禁煙しようなんて思ったんだ!?


考えども考えども答えは出てこなかった。



「土方さん?」

「うわァ!」


宮中がいきなりアップで現れた。


「な、なんですか」


俺が驚いて声をあげたことで宮中は驚いていた。


「お・お前が急に現れたからだろうが」

「気配も消してませんし声もかけましたけど反応が無かったんです」

「マジでか」

「はい、土方さん疲れてるんですね
この書類 終わったんで持ってきたんですけど他にもお手伝いすることありますか」

「こっちのも頼む」

「はい あまり無理しないでくださいね」


心配そうな顔をして部屋へ戻って行った。


しっかし驚いた
まだ心臓も驚いている。

はっ!
書類やってねェェ!!

急いで書類に取り掛かった。






宮中が俺の書類を手伝ってから一月たった。

そう一月たったのだ、

なのにあのときの宮中のアップが脳裏に ちらつくのは何故だ?

あーあれだ
驚いたから印象に残ってんだよ

他に理由なんかない。

こうやって眼を閉じれば、あいつの顔が鮮明に映し出されるのも驚いたせいだ。


「副長 寝てんじゃねーの?」

「ここんとこたまに、あーやって目を閉じてるよな」

「たるみすぎだろ」


………。

ギロリと睨みつければ


「うわっ起きてた」


とか言いながら一目散に逃げて行った。

 
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