長い夢

□お前への懐い 俺の思い 後編
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「別のお使いですか?
駄菓子ですか?スーパーで売ってるお菓子ですか?アイスですか?お団子やお饅頭ですか?ケーキですか?
前も言いましたけどマグロの一本釣りは無理ですからね」


「俺の知らないところでいろんな使いさせられてたんだな…ってかマグロの一本釣りって何だよ!!?」

「…いや…お使いじゃなくて…」

「?」

「………俺と…団子を食いに行きやせんか」


総悟は俺の質問を無視して話を進める。


「・・・お団子ですか」


予想外というふうに宮中が答える。


「美味い団子屋があるんでさァ、もちろん奢りやすぜ」


俺は夢でも見てんのか!?
総悟が奢る!??

夢だこれ!!絶対夢だ!!
早く目を覚ませ俺!!


「いつ行くんですか?」

「明日の休憩時間に行きやしょう」

「はい、行きましょう」


今日の休憩時間が終わり、宮中は仕事に戻っていった。


「土方さん さっきからブツブツ煩いですぜ」


あまりの衝撃で声に出ていたようだ。


「宮中には かなり優しくなったな」

「泣いた顔や悲しむ顔は見たくないんでさァ」

「ホゥ、ドSのお前がずいぶんと殊勝なことを言うじゃねェか」

「土方さん……もし美月ちゃんを泣かせたり、悲しませたり、傷つけたら
俺が
いの一番に殺しやすぜ、

美月ちゃんを傷つける奴は誰だろうと許せないんでさァ

たとえ傷つけた相手が俺だったとしても。

それだけは覚えておいてくだせェ」


総悟は言うだけ言うとその場を後にした。

殺すと言ったときの眼はマジだった。

あいつやっぱり宮中に惚れていやがったか。

…いいんじゃね?

総悟が誰に惚れようと自由だし宮中も総悟を憎からず思ってるみたいだし

近藤さんが言ってたこともありえるかもな、

お互いが想い合ってるなら好きにすりゃいいさ。

ガキの色恋に口出しするような野暮じゃねェぜ俺は。



俺が部屋に戻って暫くして宮中が書類を持ってきた。


「これ五番隊の書類です」

「宮中 質問がある」

「なんでしょうか」

「お前 総悟とどうだ?」

「ちょっと質問の意味が分からないです」

「あ〜仲間以外で例えるなら どういう間柄だと思う?」

「ん〜仲間以外なら友達ですかね」

「友達…か、ならいい」


なぜか安堵感を覚えた。


「あの 最後のほうが聞こえなかったんですけど」

「?俺なんか言ったか」


友達…か、以外言った覚えはないが。



−−−



宮中と総悟を視て思うんだが宮中は天然記念物並みに鈍いな
自分の色恋に関しては。

まあ真選組としての責務に支障はないから問題はない。

楽しそうに話す二人を視ながらそんなことを考えていたら

また無性にイラついてきた。



俺、おかしくないか?

なんでこんなにイラつくんだ?

 
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