お前が大切にしていた山荷葉が枯れた日
お前は花を捨てた。
当たり前のことだ
なのに何が俺の胸に引っ掛かる?
冥姫過去編
お前への懐い 俺の思い
後編
博覧会以降 総悟は宮中をよく視るようになった。
たまに視線に熱がこもってるように見えるのは気のせいか?
あいつまさか宮中に…?
あのとき様子が変だった理由はこれか?
疑問ばかり浮かぶ俺の隣では近藤さんが遠巻きに総悟と宮中を見て頬笑ましそうにしている。
「総悟と美月ちゃんすっかり仲良くなったなあ」
「そうだな 泣き顔が見たいとか言ってた頃からは考えられんほどだ」
「なァトシ 将来総悟と美月ちゃんが結婚とか言い出すかもな」
「はァ?無いだろ」
「分からんぞ 美月ちゃんはしっかりしてて面倒見がいいとこあるし
何よりあの気難しい総悟が美月ちゃんには心を開いている、ありえないとは言えんだろ」
総悟と宮中が結婚ねえ…。
紋付袴の総悟に白無垢綿帽子の宮中。
二人の新たな旅立ちを祝福?
結婚、結婚、けっこん、ケッコン、祝言、結婚――
………あー!やめだ やめ!!
胸クソわりィ!!
−−−
なんか…少し前から意味もなくムカつくんだよな、変にイライラする。
こういうときは山崎だ、
適当な言い掛かりつけて二、三発殴ればスッキリするだろ(チンピラ的発想)
山崎のことだから庭でミントンでもしてるに違いない。
庭を見ると山崎が宮中とミントンしていた。
山崎の惚けた顔を見たら更にムカついた
お前はよほど俺の神経を逆撫でしたいらしいな。
「山崎ィィィ!!仕事中に何やってんだあァァァ!!」
「ギャーー!!」
「土方さん待ってください!」
宮中が止めに入る。
「ああ?」
「山崎さんは今日はお休みですし、今は休憩時間です
怒るのは筋違いだと思います!」
宮中の言い分を聞いて余計イライラしたので宮中を睨んだが眼を逸らすどころかいつもの眼差しで俺を見てきた。
普通の奴なら おののく俺の睨みを正面から受けて平気たァどこまで肝が座ってんだ。
ドゴーン!!
「ぎゃァァァァァ!!」
山崎のいた場所が爆撃された。
発射元にいたのはもちろん総悟。
山崎はギリで避けていたが驚いている。
「沖田さん!?山崎さんが何をしたっていうんですか!?」
「知らねェのかィ今週はミントン撲滅週間だぜ」
「そんな週間は無いです!」
「それより山崎 ジュース買ってこいよ五秒で」
また無茶言ってやがる、山崎だからいいけど。
「ジュースなら私が買ってきますよ」
「美月ちゃんにそんなパシリみたいなことはさせられねェ」
お前 少し前を思い出してみろ。
だが
「山崎 俺のマヨも買ってこいよ六秒で、
遅れたら切腹な」
「ええェェェ!!」
山崎は脱兎のごとくパシリに行った。
「あれじゃ山崎さんが可哀想です」
「いいんだよ山崎だから」
少しスッとした。
「美月ちゃんには別に頼みたいことがある」
総悟は体ごと宮中に向き直った。