長い夢

□冥姫 第十五話
4ページ/5ページ



まだ銀蝿の一種だと思い込んでいる坂田さんたちは、瑠璃丸を叩き潰そうとする。

さすがにヤバい!

急いで飛び出した

が、近藤さんはつまずいてこけた
神楽ちゃんの頭(瑠璃丸)にチョップをくらわせながら。


「え゙え゙え゙え゙え゙!!」

「近藤さん!?」


しかし瑠璃丸は動いている、大丈夫だったらしい

よかった〜。


「いったいなァー!
ひどいヨみんな!!金蝿だって生きてるアル!
それにこの子、私を慕ってるネ」


神楽ちゃんは瑠璃丸を気にいったらしく、定春29号にして仇をとると言いながら走って行ってしまった。


「待てェ!、それは将軍の…」


走りだそうとした土方さんの襟首を坂田さんが掴む。


「将軍の…何?」


そのときの坂田さんの顔は、悪人のようだった。



結局、事情を全部話した。


坂田さんが提示した瑠璃丸の受け渡し金額は報奨金の六割

瑠璃丸が神楽ちゃんの手にあるうちは仕方ない。



ふと見ると、小高い崖の上で対峙する沖田さんと神楽ちゃんがいた。

こちらの呼び掛けにも答えず、カブト相撲をするらしい。


沖田さんはこの相撲に凶悪肉食怪虫カブトーンキングを投入してきた。

えええええェェ!!

聞きたいことは多々あるけど、まずは止めなければ!

説得にも耳を貸さない二人を力づくで止めるには、崖を登らないといけない、

土方さんと坂田さんは土台になれと言い合う。


いよいよ瑠璃丸が危ない、というとき皆が土台になり、坂田さんが駆け上った。


「カーブートー
狩りじゃああああ!!!」


カブトーンキングを蹴り飛ばした。


真剣勝負を邪魔された二人は文句を言うが、坂田さんに殴られて黙る。

その間に私は地道に一人で崖を登った。


「喧嘩するなら自分の拳でやれ!
遊び半分で生きものの命 弄ぶな殺すぞコノヤロー!!
ミミズだってアメンボだってみんな みんな…」


メキッ

甲虫類の虫を踏み潰したような音が聞こえた。


「…みんな死んじゃったけど友達なんだ………
だから連帯責任でお願いします」


坂田さんが瑠璃丸を踏み潰してしまった…。



−−−



全身金色に塗りたくり、兜を被った近藤さんが瑠璃丸に為り代わって土方さんと松平様に報告に行く。


無理だよねぇ


為り代われてないからね。



せめて切腹しないですむように、無事を祈っておきます。





→後書き
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ