長い夢

□冥姫 第十四話
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三人の浪士たちが廃神社の社の中で密談していた。


「では、二人ともきゃつらに捕縛されたのか」

「おのれ真選組め」

「桂 高杉らも奴らの追随を恐れ江戸を離れているとか」

「腰抜けどもが」


「だがこれは好機ではないか?」

「我ら八留虎(ぱるこ)三兄弟が今 行動を起こせば
桂 高杉を差し置いて攘夷党の先人をきれるというもの」

「しかし兄者、我ら三兄弟だけで真選組を潰せるか?」

「そこでだ 実力者の一人 冥姫を潰し戦力を削ぐ」

「兄者、無謀ではないか」

「冥姫の由来を知らぬわけではあるまい?
殺し屋でもその名を聞けば裸足で逃げ出すと聞く」

「そう思って別の人物にした
的は真選組を統制する頭
真選組の頭脳
鬼の副長こと土方十四郎」





今日は土方さんがオフでどこかに行っているせいか隊士さんたちはダラダラしている。



私は書類整理を終え、ただ今 見回中。


お腹がすいたと思ったら丁度昼食の時間になってた。


適当な定食屋さんに入ろうとしたら三人組?の一人が肩を借りながら出てきた、

なんか…ぐったりしてる
食べすぎたのかな?


疑問に思いながら定食屋さんに入った。


「いらっしゃい!」


あ、
土方さんと坂田さんがいる。


「宮中!?」

「美月ちゃん!?」


なんて偶然。


二人はカウンター席に席を一つ開けて座っていたので間の席に座ったのだが


左の方は
マヨネーズご飯だし

右の方は
粒アンご飯だし


他の人の食欲なくしたいなら効果は抜群だ!


「マヨネーズの方
美月ちゃんの食欲がなくなるから席を外してもらえますぅ?」

「ふざけんな テメーこそおかしなモン食いやがって
宮中の食欲が失せるだろうが」


いつもの言い合いが始まりそうな予感。


「女の子は甘い物が好きなんだよ、ね 美月ちゃん」

「そうですね」

「宮中はマヨネーズ好きだよな
俺とマヨネーズについて語り合ったよな」

「語り合いましたか?」


まだ私が平隊士だったころ

土方さんが摂取するマヨネーズの量に否定的な意見を言ったところ

朝まで生でマヨネーズ討論会に強制参加させられたことがある。


延々と土方さんがマヨネーズの素晴らしさについて語るだけのある種 拷問(?)のような時間だった。


「美月ちゃんも宇治銀時丼食べなよ」

「宮中は土方スペシャルを食うよな?」

「私は普通の日替わり定食にしますから」


普通に注文して食べたのだが両隣の方がじっと見てきたのであまり いい気分ではなかった。



定食屋さんを出て見回りに戻ろうとしたら


「美月ちゃんこれから銀さんと遊ばない?」


遊びに誘われた。


「ごめんなさい、見回り中なんです」


土方さんの目の前で仕事中に遊ぶようなことは言えない。


「宮中、見回りは一休みして
ちょっと付き合え」

「はい、どこかに行くんですか」


“副長”に言われたらね
従うよ。


土方さんはなぜか勝ち誇ったような笑みを浮かべている。

 
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