長い夢

□冥姫 第十三話
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「俺がいつデートの邪魔を頼んだ?
抹殺してほしいだけだ」

「もっとできるか」


「宮中 お前だってあんなチャラ男が彼氏だったら嫌だろ?」

「まず好きにはなりませんね
でも人の好みは十人十色ですから」


「あんなチャラ男が栗子を幸せにするわけないだろ?

俺だって娘の好きになった奴は認めてやりたかったよ?
それで俺なりに悩んで考えた結果
抹殺するしかないという結論に至ったわけだ」

「なんで抹殺って結論に至るんだ!マフィアか!」

「警察なんてマフィアみたいなもんだよ」


聞かなかったことにしよう。

「とんでもねーこと言ったよ
長官がとんでもねーこと言ったよ」


土方さんは近藤さんに止めるように言ったけど

松平様に共感した近藤さんは
殺し屋ゴリラ13になって栗子ちゃんたちの後を追って行った。


「やべーな、総悟 宮中 止めに行くぞ」


沖田さんは
面白そうだという理由で
殺し屋ソウゴ13になって遊園地の中に入って行った。


「宮中 止めにいくぞ…」

「そーですね」



栗子ちゃんとメリーゴーランドに乗るチャラ男を狙う殺し屋達が白馬に乗り、照準や距離を云々かんぬん言っている。


「距離が縮まるわけがあるかァァ!!
この土台ごと回ってんだよ!
永久に回ってろバーカ!

だいたい二人の仲 裂きたいなら他の方法にしろや!」


土方さんは馬車に乗っていて、私は近くの白馬に乗っている。


「別れさせ屋にでも頼んだらどうですか」

「なんだ二人とも
殺し屋同盟に入りたいのか?」

「おめーらが血迷った真似しねーか見張ってんだよ!」


…冷静に見ると、面白い光景だな。


「土方さん、ハイチーズ」

パシャ

き、綺麗に写メがとれた!?


「何 撮ってんだお前はァァ!!」


怒鳴っているが写メにはピースをした土方さんが写っている。


「殺し屋同盟の皆さんも
ハイチーズ」

パシャ


「おい宮中、今 俺のこと避けて撮らなかったか?」

「気のせいですよ」


写メには近藤さんと沖田さんのみがピースをして写っている。


メリーゴーランドに乗りながらこんなに綺麗に撮れるとは思わなかったので密かに驚いた。



次に二人はコーヒーカップに乗ったので私たちも乗る。


「あれぐらいの娘はねェ
ちょいと悪そうな男に惹かれて、ちょいと火傷して大人になるんでさァ」

「総悟 年いくつ?」


強制的に近藤さん土方さん沖田さんの視線を独り占めさせられている。


「なんですか?」

「栗子ちゃんと美月ちゃんって同い年だったなーと思って」

「私は悪そうな人に惹かれた覚えはありませんよ」


誠実な人に身が焦がれるような恋ならしたけど。


「ならいいんでさァ」

 
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