長い夢

□冥姫 第十二話
3ページ/6ページ




落ち着かない、ソワソワする。


「美月ちゃん…行ってきなさい」

「どこへですか?」


朝の会議中
近藤さんにどこかに行ってこいと言われた。


「…厠」


…。


「別にいきたくないです」

「じゃあなんでソワソワしてんだ」

「あのエイリアンのことなんですけど
まだ終わった気がしないんです」

「美月ちゃんは心配性だな」


私の杞憂(きゆう)ならそれに越したことはないけど…。



私の勘が当たっていたことは昼になってから判明した。

ターミナルにあのエイリアンが巨大化して現れたそうだ。


ターミナルに急行する。


現場には中継カメラも来ていた。


「おーい どきな、危ないぜィ」

「真選組です!我らが江戸の守護者
武装警察真選組が来ました」


テレビのリポーターさんがもちあげる。


沖田さんは拡声器でエイリアンに呼びかけた


「エイリアン お前は完全に包囲されている
無駄な抵抗はやめて おとなしく降伏しなさい」


やってみた結果は出てますよね!?


「故郷のお母さんも悲しんでるぞ
こんなエイリアンにするために産んだんじゃないって

お母さんなんとか言ってやってください」

「えっ!?マジで!?」


信じかけるリポーターさん。


クラゲのような
火星人と思われるキグルミを着た近藤さんが遺影らしき物を持って立っていた。


真選組に苦情殺到してるんじゃないだろうか?


「お父さんが最後になんて言ってたか教えてあげる
お父さんはね最後まであんたのこと…」

バゴッ

「グフッ!!」

ドサ

近藤さんはエイリアンの触手になぎ払われた。


「宮中 早く乗れ」


土方さんにパトカーの中に引っ張り込まれる。



大量の触手が襲いかかってきた!

逃げ出す真選組とリポーターさんたち。


「ターミナルは重要建築物に指定されてるんでェ
勝手に発砲すればこっちの首が飛ぶ」


「おーい 早く逃げないと死ぬぞテメーら」


パトカーの中から余裕の発言をする土方さん。


「一般市民差し置いて何 車で逃げてんの!?」


「しかし あれがまだ生きてたとはねェ
お前の勘が当たったな
エレー事になったもんだ」

「寄生型はしぶといんですよ」


「奴(やっこ)さん食ったら食っただけ でかくなる厄介な奴だぜ

しかも今回の住まいはエネルギーの宝庫 ターミナル

奴の急激な成長はターミナルを流れる膨大なエネルギーを食らったせいだ

やべェな このままじゃ江戸は食い尽くされるぞ」


逃げる人々を押し切り、何かがこちらに来る


あれは、定春に乗った坂田さん!!


坂田さんはテレビカメラにエイリアンVSやくざの映画
宣伝をすると
エイリアンに向かって行った。


無謀だ いくらなんでも。

 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ