長い夢

□冥姫 第十二話
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ガッシャン!!

ドサ

こ、近藤さんがパトカーにはねられたー!!


「近藤さん!!」

「局長ォォォ!!」


「エイリアンが なんぼのもんじゃーい!」

「なんぼのもんじゃーい!」


叫びながら土方さんたちがパトカーから出てきた。


今 エイリアンVSやくざ、上映中だったよね

観てきたんだろう
思いっきり影響されてる…。


「局長しっかりィィ!!」


銀行のガラスドアに影が映った。


「誰か来る!?誰か出てくるぞ!!」

「かまえ!」


沖田さんの号令で隊士さんたちはバズーカをかまえた。


高まる緊張の中 自動ドアが開く、

出てきたのは知らないオジサンと神楽ちゃん。


「マロンパフェ食わせてやっから来いって」

「離れて歩いてヨ」

「お父さんと歩くのが恥ずかしいのか!?

どのへんだ?直すから、お父さん直すから
どのへんか具体的に言え」

「もう取り返しのつかないところだヨ(髪の毛)

あ、み、美月ちゃん……」

「こんにちは神楽ちゃん」

「なんだ神楽ちゃんの友達か?
いつも神楽ちゃんがお世話になってます」

「いえいえ こちらこそ」

「違うから、違うからネ」

「お父さんなんでしょ?」

「そうだけど違うヨ」

「いいじゃない
お父さんに甘えておいでよ」

「行くぞ神楽ちゃん」

「違うからネ」


神楽ちゃんはお父さんに引っ張られて行った。


「またねー」


笑顔で手を振る。


また自動ドアが開いて坂田さんと新八君が出てきた。


「すいませーん僕もマロンパフェいいっすか
あ、美月ちゃんもパフェ食べにいかない?」

「遠慮しておきます」

「そっか じゃあまたな」

「はい」


坂田さんたちは神楽ちゃんたちの後を追って行った。



現場に残ったエイリアンの屍骸を見る。

グチャグチョしていて、あまり気持ちのいいものではない。


なぜそんな死骸をわざわざ見ているかというと

趣味の悪い どこかの国のお偉いさんが欲しがっているらしいので丁重に運び出しているところだからだ。


「しかし星海坊主ってのはこんな化け物と戦ってんですかィ?
どっちが化け物だか わかりゃしねーや」

「あのチャイナの親父だったとはな…
生活感のかけらもない男だったが…」


「男には二種類の血が流れている

一つは家族や仲間
自分の巣を守り安寧(あんねい)を求める防人の血

もう一つは巣から出て獲物を求めてさすらう狩人の血だ

あの男の血は狩人というより獣に近い」


近藤さん…シリアスなこと言ってるのに
怪獣キグルミのせいで いまいちというか

全て台無しに…!


「あの娘 もしかしたら寂しい思いをしてきたのかもしれんな」


神楽ちゃんが寂しい思いをしてないといいな…


漠然と思った。



翌日

あのエイリアンはお偉いさんの手に渡った。


寄生型のエイリアンだ。

きちんと管理されて、出てこれないように保管されているはず


なのにこの拭いきれない不安はなんだろう?

 
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