長い夢

□冥姫 第十一話
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いつもどおり市中を見回っていたら爆発音が聞こえた。

音のしたほうに行ってみると
壁に突っ込んだ形跡がある爆破されたようなパトカーがたたずんでいた。

何があったのかと辺りをキョロキョロ見ていたら、万事屋の三人を発見。

何があったか知ってるかも
聴いてみよう。

「こんにちは、皆さん
…坂田さん 怪我したんですか」

頭に包帯を巻いている。

「きみは誰だい?」

は?新手の冗談?

「美月ですよ、宮中美月」

「思い出せない…
もしかしてきみは僕の恋人かい?」

「違います」

「銀さん頭を打って記憶喪失になっちゃったんですよ」

「記憶喪失!?それで話し方が違うんだね
目もいつもより煌めいてるし」

なにげに凛々しい。

「僕はきみのことも忘れてしまったんだね…
すみません必ず思い出しますから」

私の両手を握る。

「あまり思い詰めたりしないでくださいね」

「優しいんですね」

手を握る力が強くなった。


「ほあちャャァァァ!!」

坂田さんが吹っ飛んだ。

「何してんだァァァ!!」

私も神楽ちゃんがなぜ坂田さんに飛び蹴りをしたのか聞きたい。

「銀ちゃんが美月ちゃんの手を握ってるのを見てたらイラっとしたアル」

神楽ちゃんは両手を私の片腕に回し、くっ付く。

「神楽ちゃん、腹が立ったからってすぐに暴力をふるうのはよくないよ、坂田さんに謝ろうね」

「ごめんネ銀ちゃん」

「…きみたちは誰だ?」

スゴロクなら振り出しに戻るだな。


坂田さんたちとはここで別れた。


数日後

「近藤さんが行方不明!?」

このごろ姿が見えないなとは思っていた。

「そうだ、じきに山崎も戻ってくる
山崎が戻ったら捜索隊を編成して本格的に捜査する」

「お妙さんのところは捜したんですか」

「一番に捜したが影も形もねェ」

「副長!マムシの工場で爆発が起こっています!」

「チッ近藤さんを捜さなきゃいけねーってのに。
さっさと片付けに行くぞ、テメーら!!」

「「「「「はい!」」」」」


ガン

爆発で飛んできたコンクリートの破片が土方さんの右目周辺に当たり、血がダラダラでている。

大丈夫かな?

「危ないから下がりなさ〜い
この人のようになるよ〜
ものっそい痛くて恥ずかしいんだよ〜」

沖田さんが野次馬を下がらせる。

土方さんの怪我は見てる方が痛い。


なおも激しくなる爆発。

「エライ事になってるな」

「土方さんもエライ事になってますぜ」

「せめて血を拭(ぬぐ)ったらどうですか」

「山崎 死んだんじゃねーのか」

「生きてますよ、きっと」

「土方さんは死ぬんじゃないですか」

「副長たった今、情報が入りました
局長も中にいるそうです」

「あんだと、山崎一人なら見捨てようと思ったが
近藤さんがいるんじゃそうもいかねーな」

さらっと酷いことを言ったよ。


「土方さん俺 リコーダー忘れたんで取りに帰ってきまさァ」

「そーか、二度と戻ってくるな」

「土方さん、私 行きます」

「情けねェもういい
俺と宮中で行ってくるから待ってろ」


ゴゥンゴゥン

機械音が聞こえる。

工場内からバカでかい大筒が出てきた
隊士さんたちも驚く。

「宮中、俺 三角定規 忘れたから取りに帰ってくる」

気持ちは分からないでもないけど土方さーん!?!?

「土方さん三角定規ならここにありますぜ」

なんで沖田さんは三角定規を持ってるんだろう?

 
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