長い夢

□冥姫 第十話
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翌日は雨が降っていた。

万事屋

沖田さんと私は坂田さんたちに道信さんのことを知らせに来ていた。


「ガキどもは真選組の手で引き取りてを探しまさァ
旦那も巻き込んだりしてすいませんでした
この話はこれっきりにしやしょう」

ガラッ

戸が開いたと思ったら子供たちが現れた。

「ここには来るなって言ったろィ?」

「私たちと一緒に帰ろう?」

子供たちは泣きながら道信さんの仇をとってほしいと、自分達の宝物(玩具)を差し出した。

子供たちは道信さんが悪いことをやっていたのを知っていた、
それでも自分達にとっては大好きな父親だと涙ながらに訴える。


坂田さんは子供が差し出したドッキリマンシールを手に取った。

「このシール集めてんだ
コイツのためならなんでもやるぜ」


「酔狂どころかバカだな」

いつの間にか土方さんがいた。

「小物が歯向かったところで何ができる?死ぬぜ」

「人ん家に勝手に入ってくんじゃねェーよ
心配しなくてもテメーらに迷惑はかけねーよ、どけ」

「テメーが死のうが構わんがわざわざ死にに行くのか?」

「行かなくても俺ァ死ぬんだよ
俺には何よりも大事な器官があってなァ目には見ねェが確かに俺の中に存在する
そいつがあるから俺はまっすぐ立っていられる
まっすぐ歩いていける

立ち止まったらそいつが…魂が折れちまうんだよ
俺にとっちゃそっちのほうが一大事でね」

そう言い残し坂田さんは出ていった。

坂田さんの話を聞いていた新八君と神楽ちゃんは適当な玩具を手に取り、同じように出ていく。


「バカな連中ですねィ
こんな物のために命かけるなんて」

言いながら鼻眼鏡の玩具をかける沖田さん。

「ってお前
そんなモンかけてどこ行くつもりだァァァ!!」

「すまねェ土方さん、俺もバカなんでさァ」

沖田さんも出て行った。

「土方さん私は副長の命あらばどこへでも馳せ参じますよ?」

「ったく。
宮中他の隊の奴ら集めろ」

「仰せのままに」

微笑んだ。


煉獄関に着いたら坂田さんたちが給料がどーのこーの言いながら大暴れしていた。


その隙に沖田さんは親玉とおぼしき奴の後ろから刀を突き付ける。

「こ、こんなマネして どうなるか
俺たちのバックに誰が付いてるか知らねーのか」

焦る親玉。

「見当もつかねーや いったい誰でィ」

隊士さんたちが悪人を取り囲み、土方さんは後ろから親玉に刀を突き付ける。

「オメーたちの後ろに誰がいるかって?
僕たち真選組だよ〜」

私も刀を突き付けた。

「まあ恐い」

「おっかない人が付いてるんだねィ」


煉獄関の親玉と手下はあっさり捕縛された。

 
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