長い夢

□冥姫 第七話
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あー…、よし!私はお姫様を見つけたんじゃない
あれはお姫様に似た一般市民だ。
世の中には自分に似た人が三人はいるって言うし。


お姫様に似た一般市民を影から見守る、一般市民を守るのは警察の仕事だからね!


あちこち遊び回った二人はだんご屋さんで一息ついている。

「女王さん(神楽)は色んな事を知ってるんですね」

「まーね、後は一杯ひっかけて“らぶほてる”になだれこむのが今ふうヨ、
全部銀ちゃんに聞いた話だけど」

子供になんてこと教えてるんだ、あの人は。


「自由でいいですね
私、城からほとんど出たことないし、
友達もいないし、外のことも何も解らない
私にできることは街を眺めて思いを馳せることだけ。
街娘のように自由に遊びたい、自由に生きたい。
そう思っていたら、知らずに城から逃げ出していました。
でも一日だけって決めていた
私がいなくなったら色んな人に迷惑がかかるもの」

「その通りですよ、さァ帰りましょう」

二人は土方さんに見つかってしまった。

私にできるのは見守ることだけ。


立ち上がるお姫様の腕を神楽ちゃんが掴むと、ダンゴの串で土方さんに隙をつくり、お姫様と逃げ出した!

「確保!!」

沢山の隊士さんたちが行(ゆ)くてを阻む。

「どくアルぅぅ!!」

神楽ちゃんはお姫様をかかえて屋根に飛び上る。

それを見て沖田さんがバズーカを取り出した。

「ちょっとォ!総悟君!?
なにバズーカなんて出してんの!?」

「あのチャイナには花見のときの借りがあるんで。
美月ちゃんに馴れ馴れしいのも気にくわねェ」

「待て!!事情はどうあれ姫に当たったらどーすんだァァ!!」

「大丈夫でさァ、俺は昔スナイパーというあだ名で呼ばれてたらいいのにな〜」

「ただの願望じゃねーか!!」

「夢を掴んだ奴より夢を追ってる奴の方が、いざというとき力を発揮するもんでさァ」

必死に止める近藤さん。

土方さんがお姫様を返さないと神楽ちゃんを逮捕すると言う。


少しして
お姫様は自分から帰ってきた…。


あんまり気分はよくないが万事解決した。

そう、解決したのだ
したのだが…。


「宮中、なぜ姫さんを見つけたのに報告しなかった」

どこから情報が洩れたのか、私は副長室に呼び出されていた。

 
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