長い夢

□冥姫 第六話
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午後
市中見回り中

今日もとくに事件もなく平和だ。


「もしかして美月ちゃん?
…いや、俺が美月ちゃんを見間違うわけない。
すっげェ偶然 ついてる
いや、これはもう運命だね」


弾んだ声が聞こえて振り向くと、予想通り坂田さんがいた
嬉しそうに笑っている。


「こんにちは坂田さん」

「ねェ美月ちゃん、坂田さんなんて他人行儀な呼び方やめて
銀さんって呼んでよ」

「無理です」

0.2秒の間をおいて答えた。

何言ってるんだろ、この人は。


「なんで?」

「年上の人(主に男性)を名前やあだ名で呼ぶような失礼なことはできません」

母上に幼いころからそう言われ、育ってきた。


「俺がいいって言ってんだから、いいじゃん」

「できません」

「本人がいいって言ってるんだよ?」

「坂田さんは私を躾のできてない常識知らずにしたいんですか!?」

つい声を荒げてしまい坂田さんは驚いていた。
でもこれを曲げる気はない
特別な人以外は。

そう躾を受けてきた。


「美月ちゃんて古風なとこあるんだね」

「よく言われます、でもそれが本来あるべき姿だと思っています」


沖田さんにも以前、名前で呼んでほしいと言われたがお断わりした。
今では沖田さんのほうが根負けし、何も言ってこなくなった。

あと年上の人には常識ある言葉遣いをしろとも言われ育ってきた。


「じゃあ変わりにお茶でもしない?」

「それくらいならいいですよ」


二人で近くの甘味屋さんに入った。


「俺チョコレートパフェ」

「私はクリームあんみつ」


品物を注文して運ばれてきた甘味を食べる。

「坂田さんって甘い物が好きなんですね」

「糖分王目指してるから」

「なんですかそれ?
すっごく甘そうな王様ですね」

クスクス笑ってしまった。





昔からよくゆーじゃん?
“暗い美人より明るく笑う娘のほうが良い”って。

美月ちゃんは明るく笑う美少女。

なんか心搏数があがってんだけどォォ!?
女の子の笑顔にドキドキするって
俺はガキなのか?
心は少年のままなのか!?

体は大人、頭脳は子供なのかァァァ!?

頭脳が子供だと語弊がありそうだな
頭じゃなくて心にしよう。

体は大人、心は少年
その名は万事屋銀さん!

よし!これでいこう。


「坂田さん?どうしたんですか、急にボンヤリして」

「…いや、美月ちゃんてよく笑うよね」

「女は愛敬っていうでしょう」

言って綺麗に微笑むから銀さんの心搏数は また上がるわけよ。

分かってる?

確信犯なら小悪魔だよ?


 
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