近藤さんの部屋
眠っている近藤さんを取り囲むように皆さん座っていた。
そんな中 山崎さんが突き止めた銃撃犯の組織を土方さんに報告する。
「そーか。
今回のことは全て俺の責任だ
色々と甘かった、仕切り直しだ」
カエルを護衛することに不満の声があがる。
山崎さんはカエルの屋敷を調べて見つけたと麻薬を取り出した。
「てめーらの剣は何のためにある?幕府や将軍護るためか?
俺は違う、覚えてるか
学も居場所もねェ、剣しか能のないゴロツキの俺たちを芋道場に迎え入れてくれたのは誰か。
廃刀令で剣と道場を失いながら
それでも俺たちを見捨てなかったのは誰か。
剣をもう一度取り戻してくれたのは誰か。
幕府でも将軍でもねェ
俺の大将はあの頃から近藤(こいつ)だけだ
大将が護るって言ったんなら仕方ねェ
俺はそいつが誰だろうと護るだけだ
気にくわねー奴は帰れ、止めやしねーよ」
土方さんは出ていった。
私に覚えはない。
最初から一緒にいたわけじゃないから
それを顔前に突き付けられた気がした。
それだけじゃない
あるんだよねー、男の子には、
女の子が入れないときが。
でも私を真選組に入れてくれて、目をかけてくれて、気にかけてくれて、鬼だと知っても変わらない態度で接してくれたのは近藤さんだ。
近藤さんのことで坂田さんに腹が立ったのは何故か?
近藤さんは私にとっても大切な大将だから。
土方さんの後を追って外にでると磔(はりつけ)にされて火あぶりにされているカエルがいた。
えええっ!!
なにやってんの沖田さん!
カエルの口に薪を突っ込みながら沖田さんが近藤さんへの思いを語る
慕う気持ちは同じだ。
こっそり聞いていたが声をかけようと二人に近寄ったとき
カエルの頬を銃弾がかすめた。
門から大勢の攘夷浪士が乗り込んできたのだ。
「おいでなすった」
「派手にいくとしよーや」
「まったく、喧嘩っ早さは変わらんな」
いつの間に気がついたのか近藤さんが立っていた。
「トシと総悟に続けェ!」
近藤さんの声と同時に隊士さんたちが飛び出す
私もいざ敵を迎え打たんと駆け出した。
攘夷浪士も捕縛、カエルも捕まった。
本来なら枕を高くして眠れるはずなんだけど…
私は縁側に座り三日月を見ていた。
「どうした?眠れねェのか」
聞きながら土方さんが隣に腰掛けた。