朝の会議室
「えー皆すでに知っているだろうが、先日“宇宙海賊 春雨”の一派と思われる船が沈没した
しかも聞いて驚け、奴らを壊滅に追い込んだのは、たった二人の侍らしい」
「春雨と言えば江戸で“転生郷”(麻薬)を大量に密売してた奴らですよね」
「驚くどころか美月ちゃん以外 聞いてねーな」
相変わらず私語をする皆さん。
「美月ちゃんこっちにおいで」
近藤さんは自分の隣をポンポンと叩く。
「?はい」
言われた通り移動する。
「トシ」
無言でバズーカを構える土方さん。
ドカーーン!!!
「えー皆すでに知っているだろうが、先日“宇宙海賊 春雨”の一派と思われる船が沈没した
しかも聞いて驚け、奴らを壊滅に追い込んだのは、たった二人の侍らしい」
「「「「「え゙え゙え゙!!マジっすか!?」」」」」
もっとナチュラルに言え、とバズーカを抱え脅す土方さんを話が進まないからと、近藤さんが止め話しを続ける。
「二人のうち一人は桂だそうだ
まァこんなことができるのは奴くらいしかいまい」
「確かに妥当(だとう)な線ですね」
「さっき美月ちゃんが言っていたとおり、春雨は麻薬を大量に密売していた連中だ
桂じゃなくても許せんのは分かる。
しかし問題はここからだ
今回の麻薬の密売に幕府の官僚が関係していたという噂がある。
よくある利益の一部を受け取る変わりに協力するというやつだろう」
時代劇でありがちな話だが真相はそんなところだろうな。
「真偽は定かではないが、江戸中の攘夷浪士が噂を聞き暗殺を企てている。
つまり真選組(俺たち)の出番だ!!」
庭を見回っていたら、沖田さんが縁側を背もたれにして、変わったアイマスクを付け眠っていた。
土方さんも私と同じタイミングで見つけたらしく、向こうから歩いてくる。
起こしたほうがいいな。
「沖田さん 起きてください」
呼び掛けたが起きない。
「宮中」
土方さんに道を譲った。
「オイ起きろ
警備をさぼって眠りこけるたァどーゆー了見だコラ」
沖田さんがアイマスクを外す。
「美月ちゃん今日は日曜だぜ
そういう おっちょこちょいなところもカワ――」
「俺の台詞をなかったことにすんな!
ついでに今日は火曜だ」
…私の呼び掛けで起きてたのに寝たフリしてたみたい。
「おや?いたんですか土方さん」