長い夢

□冥姫 第三話
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「はい 真選組十一番隊隊長を務めています」

「女性で隊長を務めてるってことは若そうにみえるけど20代なのかしら」

「いえ私は17歳ですよ」

「私より年下なのに隊長さんなの!?凄いわね
ちなみに私は18歳、新ちゃんは16歳よ。
ゴリラの事は別にしてこれからよろしくね」

「こちらこそよろしくお願いします、新八君もよろしくね」

「はい、よろしくお願いします」


新八君は真面目で素直そうだ。

言ったら怒るかもしれないから言わないけど可愛い。


「お妙すわぁーん、美月ちゃんと知り合いだったなんて運命のようですね!
さっそく一緒にお茶など飲みませんか!!」





お妙さんにボコボコにされた近藤さんを偶然パトカーで通った隊士さんに送ってもらい、私はそのまま市中見回りに出ていた。


お妙さんが相手のときは近藤さんの自業自得だよね
まさかストーカーだとは思わなかった
怒る気もおきない。


恋、か…

あの人は今どうしているだろう。





公園に立ち寄り、異常がないか辺りを見回す。

うん、異常なし……って………
あの白い犬?大きすぎない?

超大型犬と少女が遊んでいるのが見える。

目をこすり再度確認
やはり大きい。


巨大な犬が だんだん大きくなっていく
私めがけて走ってきているので遠近法でそう見える。


ぶつかるかと思ったけど犬は私の目の前で止まると、おすわりをしてワンと小さく吠えた。

犬を撫でると嬉しそうに尻尾をぶんぶん振る、可愛いな。


…この感じ
この犬もしかして…。


「定春いきなりどうしたアルか」


犬と遊んでいた女の子が走ってきた。


「貴方の犬?」

「そうヨお前 誰アルか」

「私は宮中美月っていうの、よろしくね」

微笑んだ。


あ、どこかで見たと思ったら池田屋のときの子だ。


「私は神楽 こっちは定春
よろしくしてやってもいいネ」


照れたように顔をそらす神楽ちゃん。


自己紹介をした後、なんとなしに喋っていたんだけど
思いのほか話が弾んでお喋りを続けた。




「…というわけアル」

「へぇ、偉いね」


ずいぶん喋ったせいかお腹すいた、今 何時だろ?

公園の時計は12時3分を指している。


「ごめんね、そろそろ行かなきゃ」

「私もお腹すいたから帰るアル、またネ!」

「うんまたね」

「ワン」

「定春もまたね」


頭を軽くなで、神楽ちゃんとは手を振り合って別れた。

 
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