長い夢

□冥姫 第二話
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「適当に白髪の替え玉を連れて帰りゃ隊士達も納得しますぜ
これなんてどーです、ホラ 木刀もちな」


老人に木刀をもたせる沖田。


「じーさん、その木刀でそいつの頭 かち割ってくれ」



屋根修理中の家の前を歩いているときだった。

「おーい兄ちゃん、危ないよ」


土方めがけて木材の束が落ちてきた。


「うぉワアァ!!」


間一髪でよける。


「あ、危ねーだろうがァァ!」

「だから危ねーつったじゃん」

「普通のテンションで言うなァァ!」

「テンションのことで文句いわれる筋合いはねーよ」

銀時はヘルメットを脱ぎながら反論する。


「あああ!てめーは池田屋のときの…!」

「?えーと誰、君?…もしかして多串君?
アララ〜立派になって、俺まだ仕事中だから、じゃーな」


言いたいことを言うと銀時は屋根修理に戻っていった。


「総悟ちょっと刀貸せ」


土方も屋根に上った。


「爆弾処理の次は屋根の修理か?」

「爆弾!?…あ、お前あんときの」


銀時の脳裏に池田屋での一件が蘇る。


「近藤さん負かす奴がいるなんざ信じられなかったが
てめーなら、ありえねェ話でもねェ」

「近藤さん?」

「女とり合った仲なんだろ、そんなにイイ女なのか
俺にも紹介してくれよ」


土方は銀時に刀を投げてよこした。


「お前あのゴリラの知り合いかよ
それよりあのとき一緒にいた宮中ちゃんのこと教えてよ、つーか紹介して
なんかさァ〜あれ以来宮中ちゃんの顔がチラチラして落ち着かないんだよね」

「誰が紹介するかァァァ!!」

土方は銀時に斬りかかった
それを鞘でうける銀時。

「てめェいきなり何しやがる」

「ゴリラだろーが俺たちにとっちゃ大事な大将なんだよ、俺の戦友なんだよ

誰にも俺達の真選組は汚させねェ
邪魔するものは、叩っ斬るのみよォ!!」


再び斬り掛かった土方の太刀は屋根を斬った。


後ろから銀時が飛び蹴りをくらわせる、
だが銀時の肩から血が吹き出た

土方が転がっていく直前に銀時の肩を斬ったからだ。


銀時は鞘から刀を抜く

それを見た土方は三度斬り掛かる。


斬ったと思ったが斬ったのは銀時の手ぬぐいのみ。

銀時が横から現われ斬り掛かる、斬られると思われたが、斬られたのは土方の刀だった。


「はァい終わり、痛た
俺 病院行ってくるわ」

「てめェ情けでもかけたつもりか」

「情け?お前にかけるくらいならご飯にかけるわ、
喧嘩ってのはよォ護るためにやるもんだろ、
お前が真選組護ろうとしたように」


「…お前は何護ったってんだ?」

「俺の武士道(ルール)だ」


土方は何かを言うでもなく銀時を見送った。

 
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