長い夢

□冥姫 第二話
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朝から会議室は賑やかだった。


近藤さんが女性にフラれ、銀髪の侍とその女性を賭けた決闘で卑劣な手を使われ負けた

という噂が流れているからだ。


なので土方さんは他の隊長さんから質問攻めにあっている。


「女にフラれるのはいつものことだが喧嘩で負けたってホントか!?
信じられねーよ!」

「会議中にやかましーんだよ、近藤さんが負けるわけねーだろ
くだらねェ噂 たれ流してんのは誰だ」


隊長さんたちは沖田さんを指差す。


「沖田隊長がスピーカーで言いふらしてたぜ!!」

「俺は土方さんに聞きやした」


ニタァと笑う沖田さん。

「こいつに話したのが間違いだった、お前ちったァ宮中を見習え」


私も土方さんに教えてもらったけど、もちろん他言しなかった。


その後も騒ぎ続ける皆さん。

そんなに騒いだら土方さんが…
……時すでに遅し

イライラしてるのが分かる。


「うるせェェァ!!」


ガシャャアァン!

土方さんは机を蹴飛ばした。


なにも蹴飛ばさなくてもいいと思う、
お茶も散乱してしまった。


「会議中に私語した奴ァ切腹だ、俺が介錯してやる
山崎…お前からだ」

極道のような形相で刀を抜く。


「え゙え゙え゙!?俺 一言もしゃべってな…」

「しゃべってんだろうが現在進行形で」

静まり返る会議室
隊長さんたちは見て見ぬふり(やや青ざめ)


相変わらず無茶苦茶な因縁をつけるなぁ。

二人の間に割り行った。


「まあまあ土方さん落ち着いてください」

「どけ宮中」

「どきません、明らかに理不尽ですよ、山崎さんは悪くないのに」

「美月ちゃん…」

感極(かんきわ)まったような声をだす山崎さん。

『『『『『天使だ』』』』』

隊長さんたちは何かを訴えるようなキラキラした目で私を見ている。


「ウィース、会議中に三人で何やってんだ?」


左頬を腫らした近藤さんが空気よめない感じで姿を現した、
腫れ上がった頬が痛々しい。


「よ〜しみんな 今日も元気に市中見回りに行こうか
ん?どーしたの?」

空気よめない、ここに極まれり。

土方さんはため息を吐いた。





【銀髪の侍へ!!

てめェコノヤロー
すぐに真選組屯所に出頭してこいコラ!
警察なめんな!
一族根絶やしにすんぞ

                     真選組】



市中見回りに出た土方と沖田は、
各所の電柱に貼られた銀髪への脅迫状を剥がしながら、銀髪の男を捜していた。

 
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