企画SS

□1万HIT記念SS
2ページ/8ページ







「みつき」










耳に残る君のテノールは、いつも僕を狂わせる。





「…みつき?」






君の声を聞いていたいから、態と返事をしないと知ったら、君は呆れてしまうだろうか?








「おい、みつき!」







何時までも振り向かなければ、君が抱きしめてくれると知ってしまったから、







「ごめん、ぼーっとしててさ」


「…そうか」





この嘘すらも、きっと見破られているだろう。







僕と君はいつもそばにいるのだから。










それでも聞こえない振りをするのは、君が限りなく甘やかしてくれるから。









でもこれが、いつも君の声に狂わされている僕のささやかな仕返しだとは、気が付かないだろう。







だから、









「大好きだよ、遼」









大切な君に包まれて、感じる愛は日に日に僕を我が儘にしていく。








「オレもだみつき」






 
それでもくれる、君の無償の愛に、僕は偶には泣きそうになる。







「愛してる…」









今日も君の甘やかな空気に満たされて、僕の心は、























甘く無くなった(苦)












 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ