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□ワンワン・パニック
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 私は趙子龍。ma+ha・corporation、営業部第三課に勤務しています。私の所属している課は社内では“陸の孤島”と呼ばれるお荷物部所で有名ですが、私はその課で働けることを誇りに思っています。それも偏に、上司である劉備課長の存在があるからです。
 私は彼の仁徳を敬い、そして――恥ずかしながら、――劉備課長を、お慕い申しあげております。
 そして、蛇足ではありますが、私は通勤時間をとうに過ぎているにも関わず、現在自宅に居ります。
 そして、何故か犬になっております。途方に暮れております。

 犬の姿のまま日も暮れ、成す術も無くただフローリングに寝そべっていると、突然、玄関の方からガチャガチャと音がした。私は顔を上げる。それに釣られて、私の耳もぴくりと立ち上がる。
「おじゃましまぁす」
 あ、あれ…?
「やれやれ、何故こんなことに…」
「もう、さっきからブツブツ言って。嫌なら来なきゃいいのに〜」
 課長!?
 そう家に入ってきたのは私が敬愛する、劉備課長。何故私の家に?
 課長は呆然とリビングに立ち尽くす私を見つけ、その青い草原に降り注ぐ春の日差しのような笑顔を私に向けた。
「これが趙雲のわんちゃんか〜!」

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