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□花と龍と
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「主にとって、劉備玄徳とはなんだ」

 どうして鬼と呼ばれた老将は、芍薬を体で覆うようにして大地を打つ雨から守っているのだ。
 どうして槍に降られた人間を見て愉快と思える人間が、ただの雨風の降られる一房の花を守るのだ。
 老将は哂う。
「丞相閣下は、いかがです」
 私はその理由を知っていて、この男はそれを知らないし理解もしない。

 ただそれだけのこと。





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