過去拍手

□運命〜Destiny
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今日はテニス部の練習が休みなのでみんなで遊びに出かけた。


その帰り道…―



「ねぇねぇ、ブンちゃん」


「なんだよぃ」


「ちょっと…」


「なんでだよぃ」


「いいから、いいから」


「ったく、みんなから離れちまうだろ…」


「大丈夫だから!!」


「へいへい…。
んで、どうしたんだよ」


「んー、…」


「なんなんだよぃ」


「あのさ、あたしとブンちゃんがこうして
2人で歩いていられるのって
奇跡に近いんだなぁって思ってさ」


「はっ??いきなり、どうしたんだ??」


「だって、この世界には何億人もの人がいるんだよ?
それなのに、こうしてブンちゃんに出会えて…
ブンちゃんだけじゃない、
ゆっきー・弦ちゃん・マサ・ヒロ・れんちゃん・ジャッカル・赤也…。
みんなに出会えたのって凄いことなんだなぁって思ってさ」


「まぁ、そう考えるとすげぇよな」


「でしょ!?」


「それはそうとして、なんで俺だけにそれを話すんだよぃ」


「うっ。そ、それは…
ブンちゃんに、運命はあるんだよって教えたくて…」


「…??」


「この間、部室に残っていた時に
『俺は運命なんて信じない』って言ってたよね?
けど、あたしはみんなが此処に集まったこと
これって運命だと思うんだ。
だから、ブンちゃんにもそれを伝えたくて」


「…ハハッ、お前変な奴だな」


「な、変って…笑って言わなくても」


「わりぃ…。
けど、良い意味で笑ったんだぜ??
―俺達が出逢ったのって運命かもなって思ってよ」


「そ、それって…」


「俺も、運命ってやつを信じてみようと思ったんだよ」


「フフっ、そっか」


「―おーい、ブンちゃん達。
何しとるんじゃ??」


「早く来ないと置いて行きますよ」


「おぅ、今行くぜぃ!!」


「待ってー!!置いてかないでー!!」



ねぇ、ブンちゃん

いつか、キミが私を好きに好きになってくれて
運命を感じてくれたら
もっと嬉しいな…―

けど、今は仲間としての運命を感じてくれてれば充分だよ…――






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