With Determined Passion

□REVO.5
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テレビで今日の日付を見て絶叫寸前になっても叫ばなかった私を誰か褒めて欲しい。
確かに葉は転校生だし坊ちゃま戦の頃は夏って描写があったから転校したのは4月〜6月だろうとは思ってたけど。
まさか…まさか…


「12日ですか…」


昨日のうちにカレンダー確認するべきだった。いやそんな余裕なかったけどね!
せめて葉が寝てるのが救いか。
出発は10:30。現在時刻は7:30。ゆっくり寝るって言ってたから起きるのは8:00過ぎくらいかな?…うん…30分か…


「どうしたものか…」


葉の旅立ちがまさか誕生日だったとは…計算外だ。
今現在私は身一つだからあげられるものが何もない。
困った…


「うぅん…」

「何朝から唸ってるんだ?」

「いや葉に何あげられるかって…」




……うん?


「うわぁぁ!?」

「うぉっ!?」

「よ、なん、ゆっ…なんっ!?」

「いやゆっくり寝たぞ?オイラだいたいいつも6時起床だし」

「だっ…なんっ…」


「とりあえず、」


ふざけろ…!7時半起床はゆっくり寝たとは言わない!!


「落ち着け。な?」

「きゃぁぁぁぁ!?」


落ち着けって、あのね葉、そのまま放置してくれたらあと五秒で復活出来たんだけどこれ逆に混乱しきゃぁぁぁぁ!?


「ちょ、やめ…っ」

「よーしよし大丈夫だかんなー」

「ああああああ…!!」


やめろ頭を撫でるんじゃない!!そして今すぐ体を離せ離してください葉さんんん!!

と、混乱極まりない私の耳に、ぷすりと空気の抜けるような音が届く。

…ちょっと…

こいつまさか…!!


「葉ォ…!!わざとやってるでしょ…!!」

「おー、バレたか」

「この…っ!」

「すまん、つい」


振り上げた右腕が一気に行き先を失った。
くっそ…朝からなんて素敵な笑顔…!!
まさしくしたり顔ってやつだ。
張り手なんて出来るわけがない。惚れた弱みである。


「で、オイラにあげられるものが何だって?」

「よーし東京ついたら夕飯にカレーうどんを作ろうそうしよう」

「照れんなよ」

「照れてねぇよ!」

「こら、女の子がそんな言葉使いしちゃだめだろ」

「……はい…」


葉にはツンが一切通用しないようだ…
ま、ね。
そうだよね。
どんなに意地張っても照れ隠ししても通じるわけがないよね。
それが麻倉葉だ。


「オイラの誕生日知っとったんだな」

「今日が5月12日なのはさっきまで知らなかったけどね」

「まぁそれは仕方ねぇよ」

「うぅ…お誕生日おめでとう…」

「おう、ありがと」

「身一つなものでして、贈り物の一つもありませんが…」

「んー、んじゃ、その身一つくれたらいいんじゃねぇか?」

「はい?」


ミヒトツクレタライインジャネェカ?何言ってるのこの人。

何言って…

何言ってんの!?
いやそういう意味じゃないのはわかってるんだけど何言ってんの大丈夫!?


「ウェッヘッヘ、耳赤ぇぞ」

「っさい!」


これだから天然タラシって怖い!


「あ、遅くなったけどおはよ」

「おはよ…あのその葉、身一つってあのね、いや葉が言うならいくらでも差し出しますけどね?」

「オイラにぜんぶくれんだろ?」


だから葉それ一歩間違えたらプロポーズだよわかってる!?わかってないね!


「はい…」


もちろんあげるけどね?


「そいじゃ着替えっか。あ、愛は母ちゃんとこ行ってな」

「?」

「や、その……流石にオイラ女の子の着付けは…」


…着付け?


「葉、あの…何に着替えるの…?」

「え、そりゃあこれから旅立ちに際しての厄払いの儀があるから直衣…」

「…私必要ないよね、私女の子だから直衣じゃないしね」

「せっかくだし一緒にやろうぜ。たぶん母ちゃんが水干出してくれとるから」


満面の笑顔を前にして断れるわけがないわ。






*






ちょっとこれ水干っていうかただの巫女服!


「おー!綺麗にしてもらったなぁ」

「うおぉぉ!どうしよう葉イケメン過ぎて直視できない!」


橙の直衣似合う!めっちゃ似合う!
流石麻倉!葉和装似合う!


「愛ちゃん、あとこれも着てね」

「えっ」


う ち か け !


「似合う似合う」

「だ…橙…」

「お揃いだなぁ」


恥ずかしいなぁ…!


「なんか、結納しにいくみたいだな」


葉さま一回黙ってください。






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結婚式w




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