Farfalla
□act.2
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──次の日
「遅刻───!!」
ただ今、遅刻を逃れるために必死で爆走中。あー、チャイム鳴ってるよー。
間に合わねェ──!!
「君、遅刻だよ」
あぁあ、間に合わなかった。誰かに言われたよー。……って誰よ?
「君、転校生?」
「そう。舞野 純っていいます♪」
「へぇ。……でも遅刻は許さないよ」
「Σ嘘!? 見逃して!!」
「無理だね。……咬み殺す」
えっ!? 殺すの?久しぶり〜……って、
「僕と武器かぶってるー!!」
その人が持っていたのは、僕も使うトンファーだった。
あー、ショック……。もう使うのよそーっと。
「何言ってんの?」
そう言って、その人は僕に攻撃を仕掛けてくる。
でも、僕はこれでもヴァリアーにいたからね。なめてもらっちゃ困るな。
「遅い」
かわしてから素早く移動して、その人の首に短剣を突きつける。
「首、とったり」
「ワオ、気に入ったよ」
ワオ、気に入られたよ……じゃなくて、
「名前は?」
「僕の事知らなかったの?」
「当ッたり前じゃん。昨日来たんだもん」
「昨日の今日で遅刻……」
あら、呆れられた。
「雲雀恭弥」
「………へ?」
「名前。僕の名前だよ」
へぇ、恭弥っていうんだー。
「今日は許してあげる」
「マジ?やった!! ありがと、恭弥」
「……いつでも応接室きていいよ。純なら許してあげる」
じゃあね、と言って、恭弥は去って行った。
変わった人だなぁ……。
「……ってそれよりも僕遅刻じゃん!」
忘れてたぁ!! と思いながら、僕は全速力で教室に向かった。
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