いいたいことはない

□微動
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「ひとりにしないで放っといてくれ。」

って言ったのに
アイツは僕が隠まるくらいの腕で邪魔をする
僕が誰なのかわからない僕が其処に佇む

浮遊感地帯
凛とした華は刺されるがまま水たまりに咲いた
しずくが おちて ゆれた

アイツに負けたくない
かなわなくても
立ちはだかる壁は同じ数のハズだ!

雲間から覗いた青は翳ろう


しずくが また おちた
波紋が促した
やがて陽は落ちて また ゆれた

生温さが冷ややかに染まりきるまでに 僕も変わらなくっちゃならない

君は少し泣いた?
背後に水たまり
しずくは もう おちない
涙なら捨てた

二度同じ表情(かお)をしない天を見習え

果てのない世界に決まりはつくらない

アイツに負けたくない
かなわなくても
立ちはだかる壁は同じ数のハズだ!

雲間から覗いた青は陽炎

アイツに追いついた
君と遠ざかった

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