創造世界
□†突撃☆ヴァンパイア†1†
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ジリリリリリリリリ…
うるさい…まだ寝させてよ…
ジリリリリリリリリ…
…まだなんか騒いでる…あと2時間だけだから…
ジリリリリリリリリ…
………
ジリリリ『やかましいわっ!!今何時だと思ってんだゴルァ!!
朝の8時!8時ですよ!?
き・ん・じょ・め・い・わ・く!だバカヤロオオオォォォ!!』
と、時計よりもやかましい声を出して
けたたましい音を出していた時計を【メショッ】と握って【ガシャコッ!】と壁に叩きつける。
『ふう。悪霊退散…!』
と今にも「良い汗かきやしたぜオヤッサン」と言い出しそうな程爽やかな笑みを浮かべ、
深小姫は虚空を見上げた。
凹凸が良く解る真っ白なパジャマに身を包み、それに触れるは漆黒で腰まであるストレートの髪。
凛とした、ともすれば男性とも女性ともとれる中性的な整った顔。
少し赤みがかった大きめで印象的な黒い瞳。
彼女は何か妖しい雰囲気を作り出していた。
『今良い夢見てたのにあの馬鹿時計のせいで破壊する事に夢中になっちゃったじゃない…』
小鳥が鳴くような綺麗な声。
それら総てで恨めしそうに時計(だった残骸)を睨みつける。
彼女の中身は外見を見ただけでは解らないらしい。
と言うか夢中になるってどうなんだろう。
置いておいて。
今時計に起こされる迄見ていた夢はお気に入りの夢。
同じ夢を繰り返し見た事が無い深小姫には初体験の
【繰り返し見る夢】である。