Sky Caribbean

□雨
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レーダーに赤い点。
仮眠を取っていたローウェンに、音声で警告が伝えられる。
「―軍艦が接近中――接近中――」
うっすらと目を開ける。
(しつこいな…)
そうは思っても、若干の戦慄を感じながら。

今まで撒くように飛んでいたが、懲りずに追いかけてきているようだ。
この前の戦いで、麻酔銃を使ってやっとだった…重大な情報をこちらが持っている今、軍艦は前回よりも勢力をましているだろう――

(グラン、あなたならどうするだろう…)
心の中で、自分の船長であった人物に語りかける。決して返ってはこない返事。ローウェンは彼ならどうするかを考えた。
仲間をなによりも大切にした彼。この空賊の名前でもある彼――グランゼールなら、どうするだろう。

心を決めて開いた瞳は、深い灰色。
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