Sky Caribbean

□赤鬼
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階段を下りきると、通路が二手に別れており、どちらも軍人が不気味に転がっていた。
サカナは足を止めた。どちらに行けば良いんだろうか…?

何度か左右を見て迷ったものの、左に足を進めることにした。
走っていると、通路にバタバタと改造人間やら軍人やらが倒れこんでいるのに出くわす次第に数が増えてゆく。

銃で撃ち抜かれた跡がある。サカナは、ライズがこちらにきたのだと確信した。
ヴィズはライズと反対方向を行ったのだろう。

随分と長い長い船内の廊下を走った。ここまで走ったが、妙な事に一人も襲ってくる者はいない。しかし、サカナはそれを不思議に思いながらも内心ほっとしていた。できることなら引き金はなるべく引きたくない。
ふと、奪った銃のことを思い出した。まだあの銃に込められているのは銃弾だ。サカナは銃弾を捨てると麻酔銃に入れ替えた。気がつかずに発砲していたら、自分自身がどうなっていたか分からない。

そして、ようやく大きな扉の前にたどりついた。きっとライズもこの先にいる…そう思って足を踏み入れた。

中は大きな広いホールだった。サカナは無意識にその中心まで歩いていく。中ほどまで歩いたときだった。ガタン…!と、扉の閉まる音がした。
サカナはまずいと思い後ろを振り返るが当然、扉は閉まっていた。

そして、このホールは密室となった。
ほかに扉はないのか、と慌てて回りを見回していると、足音がした。軍人達がホールの小さなドアから入ってきて、一人の軍人がサカナに銃を向けた。

「リィフィッシュ。お前を処刑する。」
その言葉を聴いた瞬間、サカナはその軍人に銃の引き金を引いていた。
倒れていく、その軍人を見て昔の記憶がフラッシュバックする。しかし、それに囚われている暇など無かった。密室でひとり。周りには敵。
サカナはそのままもう一つの銃を取り出し、自分の周りを囲んだ軍人達に銃口を向けた。
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