D*H
□昔も今も
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「ねぇ。久しぶりに、どう?」
なんていうか。
大きくなったな。
【昔も今も】
恭弥と出会ってから、もう10年。
恋人として甘い時間を共にしたことも、随分昔のことのように思える。
いつだったか。
めでたくツナがボンゴレの10代目ボスになって。
恭弥が雲の守護者として、ファミリーになることを受け入れた丁度そのとき。
俺の元にリボーンから連絡が入って。
“雲雀が正式にボンゴレのファミリーになった。
だから、もう逢引は止めろ。”
そう告げられた。
理由は簡単。
キャバッローネのボスと、ボンゴレの守護者。
いくら同胞と言えど、2つのファミリーの人間がそのような関係だと周りに知れ渡ると、両ファミリーの信用は落ちる。
情報漏れ。
それが文字通り命取りとなる、この世界において。
2人の関係は、不安要素にしかすぎない。
だから。
会うのはやめろ、ということらしい。
“雲雀も納得している”
その言葉を聞いて。
俺も、それを受け入れた。
それから、恭弥には会っていない。
別れの挨拶を、とも思ったが。
あいつの心を乱してはいけないと。
心に制御をかけた。
その恭弥が。
キャバッローネの、アジトに尋ねて来て。
今、俺の目の前にいる。
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