8059・その他
□至福のとき
1ページ/2ページ
かなわない
でも
側にいたい
【至福のとき】
「山本〜。」
呼ばれて振り返る。
そこにはまた何かあったのか、
辛気臭い顔のツナが立っていた。
「どうした?」
その様子が少しおかしくて、尋ねてみる。
「また呼び出しだよ〜…。今度は何言われると思う?」
その答えがまた予想出来たもので。
俺はははっと声を出して笑った。
他人事みたいに…と少し落胆の声をツナは漏らす。
しょうがないだろ、他人事なんだから。
なんて、悪態ついてその場をやり過ごしたけど。
今度は違う意味で。
心の底から笑いがこみ上げて来た。
ツナの呼び出し。
それは、俺の至福の時を意味するから。
.