8059・その他

□ありがとう
2ページ/2ページ

俺は一瞬、何が起こったのかわからなくて。

わからないなりに頭をフル回転させて。



そしたら、たどり着いた結論は本当に、嬉しいものだったから…。



思わず、言葉を失ってしまった。



部屋にかけてある時計を見れば。

時刻は丁度、午前0時。


4月24日。
俺の、誕生日になっていた。




「…獄寺…。」

「…んだよ…。」

「ありがとな。」



本当に、心からの気持ちを込めて、俺は携帯の向こうの愛しい恋人に言葉を掛けた。


その向こうで、照れている姿が鮮明に想像出来る。

そんな獄寺が愛おしくて愛おしくて。


思わず、締まりのない笑顔になると。


「これだけだと思うなよ…。」


携帯の向こうの恋人は、更に言葉を繋げた。


「窓の外、見てみろよ。」


言われてカーテンを開ければ。


「…お前…」



その愛おしい姿がそこにあった。



「プレゼント、何も思い付かなくてよ…金もねぇし。
…っつーことで、俺の今日1日をてめぇにくれてやるよ。」


コキでもなんでも使いやがれ。

最後はいつものように少し苛立ちを含んだ口調でそう言うと、獄寺は電話の通話を切った。


そして、窓辺にいる俺と目を合わせ。


そのいたずらっ子のような可愛い笑顔を俺へ、向けた。



…ほんと。

「好きだぜ、はやと!」

2、3秒の間があって。

獄寺の顔が赤くなっていくのを見届けてから、俺は走った。


その体を、抱きしめるために。



明日の朝練は…、まぁ誕生日の特権ってことで。

後で誰かにメールを入れておこうと思う。



“悪い、ちょっと俺、今超幸せだから。朝練休むな!”


せっかくのプレゼント、使わなきゃ勿体無い。



「グラッチェ…だっけ?ありがとうな。」



腕の仲の恋人は、小さく頷いた。




END





2日遅れです…;;

山本、何歳のかはわからないけど(笑)
誕生日、おめでとう。

24日に降った雨はあなたの仕業だと、信じています。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

2008.04.26

8059一覧へ








.
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ