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□14000HIT 圭レナ
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「は…はう〜、ケンタくん掘り出せないよう…」


レナは夕暮れの中一生懸命にケンタくんをお持ち帰ろうとしていた。


「レナ、大丈夫か?」


さすがに夕暮れという時間であたりは暗くなってきた。

レナの手元が気になる。


「このくらい大丈夫なんだよ、だよ!」

「俺も手伝おうか?」

「ううん!レナ一人でも大丈夫!」


むぐぐぐう…と頑張ってケンタくんをひっぱるレナ。

そんなレナを見て圭一は微笑ましくなった。

…でもさすがに暗い。

今日は早めに切り上げようとしたときだった。


「…痛っ」


レナが突然うめいた。


「どうした?」

「はう〜…近くの木で指、切っちゃったみたい」


レナの指からは少し血が流れていた。

でも圭一は絆創膏など持っていない。

圭一が考えた考案はこれだった。


「レナ、指貸してみろ」

「はう?」


指を差し出したレナの手首を自分の口元に近づけた。

そのままぺろっと舐める。


「は…はううう〜っ!?けけ、圭一くん!?何してるのかな、かな!?」

「…もう大丈夫だろ。家に帰ったら念のために消毒しろよな」


得意げに話す圭一の顔がみるみる真っ赤に染まっていく。

はう〜…、とレナは茫然と自分の指を眺めた。

圭一は慌ててレナの手を取り自分のシャツにこすりつけてつばを拭いた。


「け…圭一くん、ありがと…」

「…んにゃ、その…」


圭一の声がくぐもった。

圭一の顔はまだ真っ赤だった。

レナはその顔を見てくすっと笑う。


「なっ!何がおかしいんだよ!」

「だって真っ赤になってる圭一くん、かあいいんだもん」

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