-story-

□シルク・ド・フリーク
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「…って…ちょ、レナあああっ!」

「はうっ!?どうしたのかな、かな?」

「ウルフマン怖い…怖いよう…」

「はう〜〜〜っ!怖がってる詩ぃちゃん、かあいいよう〜〜っ!!」


ぶぎゃっ。

レナが私に抱きついて頬をすりよせておく。

だってさすがにあれは怖いさ…


「大丈夫だよ、詩音。こうやって肉を投げるだけだよ?」


ほら、とダレンがひょいっとウルフマンの檻めがけて肉を投げ入れた。

ウルフマンはそれを見たとたん肉に食いつく。

狼だ…


「そうだけど…うう」


私たちがシルク・ド・フリークにきてから5日になる。

カーダとガブナーはフリーク内に友達がいるらしくたのしそうに話している。

もっと前からいたような感じがした。


「はう、さすがに狼は怖いねぇ…」

「うう…」

「じゃああとは僕はやっておくから…怖いんだろ?」


にやっとダレンが笑った。

むう。

――――

「ねえ、詩ぃちゃん。バンパイアって血を飲まないといけないんだよね?」


レナが麦茶が入った紙コップをすすりながら私に話しかけた。


「んーん。そうだね。私なんか体力自信なくなってきたよ…」

「え?…大丈夫!?」


人間の血が足りないからだ。

ふらついた私をレナが受け止めてくれた。

自分でも血が足りないのがわかる。

でも…どうやって飲むのかがわからないまま夜を過ごした。

私を察したのかそれとも偶然なのかガブナーとカーダが私たちを見つけて寄ってきた。

ガブナーが大丈夫か、と聞いてくる。


「うーん…血が足りないのかな、ふらふらする」

「ガブナー、詩ぃちゃん大丈夫かな…」

「…そろそろ人間の血を飲みにいく頃だな」
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