俺と君(改修版)

□第5話
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あの日から1ヶ月の月日が経った。


あの発言の1週間後、学校側は俺達を認めた。

‘君たちの関係は一応認めるが、高校生として間違いのないようにしなさい‘

俺達に変な騒ぎを起こされたくないから渋々ながら認めたという感じだったが…
そして、あの人も尽力してくれたそうで…ますますあの人に頭が上がらなくなると思い、少し憂鬱になった。

だけどその結果、俺達は教師が(不本意ながら)認めた公認夫婦(書類上はまだ未婚者)になった。



そして現在、夏休みの中ごろ…

「だからここを…して…を使って計算して…になる」
「…」
「…分かった?」
「…うん」
「…分かってないでしょ?」
「(ギクッ)…そ、そんなことないよ!!」
「じゃあ、この問題やってみて」
「うっ…分かってませんでした」
「やっぱり…」

俺は、茅野が溜めた夏休みの宿題を手伝っていた。



「…それにしても残念だったね」
「ん?ああ、あと少しだったんだけどね」

茅野は、問題を解きながらポツリと呟いた内容を理解し、そのときのことを思い出す。

バスケ部での思い出…俺達は3年最後の試合で、準決勝まで進んだが、惜しくも2点差で敗退…俺達3年のバスケは幕を閉じた。
まあ、全力を出し切っての結果だから悔しくないといえば嘘になるけど…この結果には納得してる。

「…って、それより、今は茅野が溜めた宿題をやるのが先決」
「うぅ、今やらなくても大丈夫だよ〜」
「とかいって、最終日まで溜めちゃんだろ?」
「そ、そんなことないよ」
「図星」
「うぅ」

シュンとなる茅野を見て微笑みながら、俺の生活は茅野のおかげで結構変わった…と思う。

茅野は家事全般が得意で、掃除(やってたつもりなんだけど、茅野に言わせれば×)・洗濯(さすがに自分の下着は自分で)・食事などをやってくれて、茅野のおかげで今までの生活より、まともな生活をしている…が、

「あ、ここ違ってる」
「え!?」

勉強は別みたいだった。
だから、俺は家事が手伝い程度しか出来ない代わりに、茅野の勉強を付きっ切りで教えていた。
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