晋助は歩くのが早い。
競歩並に早い(そこまでではないか?)
だからいつも気が付けば私は晋助と物凄い距離が離れてたりする。
「待って下さい!」
「ん…?あぁ。お前ぇが歩くの遅ぇんだよ」
口ではそんな風に言ってるけれどちゃんと待っていてくれる。
何だかんだ言っても優しいのだ。
私はトテトテ走って晋助に追いつく。
少し息が上がってしまう。
「ほらよ」
突然、晋助が手を差し出した。
私はその手の意味が理解できなかった。
「手ェ繋いだらお前も遅れねェで済むだろ」
「…手、離さないでよ?」
「ったりめぇだ」