蒼い蛍(小説集)

□Bad Bye!
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――グッバイ。

 俺は公園のベンチに腰掛けて、夜空を仰いでつぶやいた。

 手首に当てたナイフの刃は、冷たい。



 さっきから自殺を決意しているくせに、一向にナイフを持つ手に力をこめられないのが情けない。

 死ぬ理由なんて無い。でも、生きてる理由も無い。もう、疲れた。

 俺は怠け者だから、十六にしてくたばった。
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